バイデン政権に天然ガス増産圧力

(2022年3月31日)

2022年3月24日(木)、ベルギー・ブリュッセルのNATO本部でG7写真撮影に参加するカナダのジャスティン・トルドー首相(左)とドイツのオラフ・ショルツ首相(右)に挟まれながら指差すジョー・バイデン米大統領。(Sean Kilpatrick/The Canadian Press via AP)

By Ramsey Touchberry – The Washington Times – Thursday, March 24, 2022

 バイデン大統領は24日、ブリュッセルでロシア・ウクライナ戦争について協議するため北大西洋条約機構(NATO)と欧州の指導者らと緊急首脳会談を行った後、欧州のエネルギー安全保障に対する米国の関与を強調した。

 バイデン氏と欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、エネルギー協力に関する合同タスクフォースの創設を発表した。共同声明では、「欧州連合(EU)の当面のエネルギー安全保障上の必要性に対処し、クリーンエネルギーへの移行を加速させる」ことを約束した。

 声明によるとEUは、この地域が依存しているロシアの石油と天然ガスを、10年以内に段階的に削減することを計画している。

 「われわれは、クリーンエネルギーへの迅速な移行が、ロシアの化石燃料からのEUの独立を進めるために不可欠であることを理解しており、パリ協定の目標、2050年までに排出量を実質ゼロとし、気温上昇を1.5度に抑えるという目標を達成できるよう取り組んでいる」

 ロシアがエネルギー市場の支配を欧州への影響力として利用する脅威は以前から懸念されていたが、ロシアのプーチン大統領によるウクライナ戦争によって、この問題は米欧関係の最重要課題として浮上した。

 欧州の指導者らは、米国からの液化天然ガス(LNG)の輸入を増やすことで、ロシアのエネルギーへの依存度を大幅に減らすことを期待している。フォンデアライエン氏は今週初め、バイデン氏に対し、「今後2回の冬の間、追加供給の約束」を果たすために「LNGの供給を優先する」よう求めたという。

 フォンデアライエン氏は、エネルギー価格が米国よりはるかに高い27カ国からなるEUが結束して、来年の冬に備えて天然ガス貯蔵施設の容量の少なくとも80%を満たせるよう、米国の役割に期待している。

 EUは天然ガス全体の約90%を輸入し、40%をロシアから輸入しているため、ロシアのエネルギーを完全に捨てることは困難だ。米国は、EUへの新たな輸出のおかげで、この3カ月で世界最大のLNG輸出国となり、米国のLNG産業にとって大きな勝利となった。

 これは、ドナルド・トランプ前大統領の勝利でもある。在任中、彼は欧州で米国産LNGをロシア産エネルギーの代替品とすることを提唱したが、安価なロシア産天然ガスがこの計画を非現実的なものにしていた。ロシア・ウクライナ戦争とエネルギー価格の高騰がそれを変えた。

 それでも、LNG輸出の急増という要請を短期間で満たすことは、バイデン政権にとって困難だ。

 アナリストによれば、すでにフル稼働している民間のLNG産業に対して、政府ができることは限られている。また、新規の掘削や輸出許可を急増させても、結果が出るには何年もかかる。

 ロビー団体である米国石油協会の天然ガス市場担当副会長、ダスティン・マイヤー氏は「短期間で何ができるかを現実的に考えることが重要だ。今後数年で拡張することは可能だが、新しい大規模な設備が稼働するには2、3年かかるだろう」と語った。

 欧州は、2027年までに公約したロシアのエネルギーから完全に脱却するために、やるべきことがたくさんある。そのためには、エネルギーを得る方法を根本的に見直す必要がある。

 また、バイデン氏は、ガス業界が望んでいる米国のLNG産業の増産に協力することを約束しなければならないだろう。

 しかし、それはバイデン氏が掲げる気候変動政策と相反する。増産を約束すれば、今の投資拡大が将来的に報われるという企業側の自信は高まる。

 LNG輸出のための「明確で一貫性のある」認可プロセスも不可欠であり、これは最近まで欠けていたとマイヤー氏は指摘する。

 エネルギー省は先週、待望のLNG輸出許可を2件承認した。石油・天然ガス企業に助言する米探査生産評議会(AXPC)によると、4つの追加許可がまだ出ておらず、これが承認されれば、LNG輸出が20%増加する可能性があるという。

 共和党は長年、欧州へのLNG輸出を拡大しようとしており、ロシアとウクライナの戦争の中で再び推進することになった。トランプ氏も、ロシアの影響力を削ぐために輸出を増やそうとした。エネルギー情報局によると、トランプ政権時代にLNG輸出はおよそ6倍に増加した。

 上院エネルギー委員会のジョン・バラッソ共和党筆頭委員(ワイオミング州)は、「政権が先頭に立って引っ張っていく必要がある。欧州の同盟国は、エネルギーを敵に依存することがいかに恐ろしい間違いであったかを理解しており、エネルギー安全保障が気候変動への熱狂よりもはるかに重要であることを理解している」と述べた。

 バイデン氏、議会民主党、EUの指導者らは、LNGによる気候への影響に警戒を続けている。ロイター通信が今月報じたところによると、ホワイトハウスは、環境問題への懸念から、米国が欧州に送る量を増やす方法について検討する可能性を棚上げした。

 民主党は、天然ガスに関連する温室効果ガス排出に関する同様の懸念を表明しており、さらに、生産を拡大する責任を連邦政府ではなく、民間のエネルギー企業に求めている。

 上院エネルギー委員会のマジー・ヒロノ委員(ハワイ州)は「率直に言って、われわれは石油や化石燃料から脱却すべきであり、これはそのための新たな教訓やメッセージだ。化石燃料生産者が石油を掘り続け、化石燃料に依存し続けることを許すようなことにならないか心配だ」と述べた。

米インド太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督が、2024年8月27日火曜日、フィリピンのマニラで米インド太平洋軍主催の国際軍事会議で演説を行った。(AP通信/アーロン・ファビラ撮影)

米陸軍、西太平洋テニアン島に新型極超音速ミサイルを配備

(2026年07月29日)
写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

(2026年07月27日)
2015年6月27日土曜日、キューバのハバナで行われた記者会見で、米国上院議員団の一員が米国とキューバの国旗を交差させたピンバッジを着用している。(AP通信/デズモンド・ボイラン撮影)

米国転覆狙い共産主義を推進するキューバ 米国務省が警告

(2026年07月24日)
日本の小泉進次郎防衛大臣が、2026年5月31日(日)、シンガポールで開催されたアジアの年次防衛・安全保障フォーラム「シャングリラ対話」で演説を行った。(AP通信/アハマド・イブラヒム撮影)

小泉防衛相、核巡る議論呼び掛け GCAPやアジア連携も強化

(2026年07月23日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2025年4月3日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で開催されたNATO外相会議に出席するため到着した際、報道陣の取材に応じた。(AP通信/バージニア・メイヨー撮影)

リトアニア外相、ロシアの破壊工作は「侵略行為」 米軍駐留継続に期待

(2026年07月21日)
新華社通信が公開したこの写真は、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルの発射実験の様子を捉えたものだ。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

中露、スターリンク攻撃計画を極秘協議 軍事協力の実態判明

(2026年07月19日)
フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

中国は依然国際法に違反 南シナ海仲裁判断10年で米軍

(2026年07月18日)
新華社通信が公開したこの写真には、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルが海面から飛び出す様子が写っている。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

米、中国のSLBM発射実験を「事前通報が不十分」と非難

(2026年07月13日)
2024年8月4日、ウクライナ国内の非公開の場所に設置されたパトリオット防空ミサイルシステムの上空を、ウクライナ空軍のF-16戦闘機が飛行している。(AP通信/エフレム・ルカツキー撮影、資料写真)

トランプ氏、ウクライナが「パトリオット」製造 専門家は生産開始に数年

(2026年07月12日)
2024年7月3日、カザフスタンのアスタナで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議の傍らで行われた会談で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と中国の習近平国家主席が握手を交わした。(セルゲイ・グネーエフ、スプートニク、クレムリン・プール写真、AP通信経由)

中国企業、ロシア占領下のウクライナに進出 経済的影響力を拡大

(2026年07月11日)
→その他のニュース