バイデンはブチャ虐殺を受けてプーチンを「戦争犯罪者」とみなす

(2022年4月13日)

2022年4月4日、ウクライナ西部リヴィウのリチャキフ墓地にて、戦死した44歳の兵士テレシコ・ボロディミルを埋める墓堀人たち。(AP写真/Nariman El-Mofty)

By Jeff Mordock – The Washington Times – Monday, April 4, 2022

 ウクライナでの民間人虐殺を示す残忍な画像が報じられたことを受け、バイデン米大統領は4日、戦争犯罪裁判を求め、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「戦争犯罪人」であると改めて非難した。

 ウクライナの首都キーウの北西郊外のブチャで、遺体が散らばった集団墓地の画像が週末に現れた。写真には、手足を縛られた民間人の服を着た遺体、至近距離での銃創、拷問の証拠が写っていた。

 ウクライナ当局者は、最近ロシア軍から奪還されたキエフ周辺の町で410人の民間人の遺体が発見されたと述べた。

 バイデン氏はプーチン氏について「戦犯だ」とし、「この男は残忍だ。ブチャで起こっていることは非道な行為であり、誰もがそれを見た」

 バイデン氏は、戦争犯罪裁判が行われた場合に検察官を支援するために、証拠を収集する必要があると付け加えた。ロシアは4日、ブチャで民間人を殺害したという主張を否定し、国防相はこの告発について「挑発だ」と主張した。

 バイデン氏は 「我々は情報を集めなければならない。ウクライナに、戦闘を継続するために必要な武器を提供し続けなければならない」とし、「戦争犯罪裁判のために、我々はすべての詳細な情報を入手しなければならない」と述べた。

 その映像は党派を超えて幅広い非難を呼んだ。テキサス州選出で下院外務委員会の上級委員であるマイケル・マコウル議員(共和党)は、今回の残虐行為は、ほぼ6週間のウクライナ侵略で、ロシアに対するより厳しい制裁の理由となると述べた。

 「いかなる国も、このような悪に直面して中立でいることはできない。これらの恐ろしいイメージは、世界の良心に衝撃を与え、ウラジーミル・プーチン政権とロシアの侵略軍に戦争犯罪の責任を負わせるためのさらなる行動を要求する」と同氏はワシントン・タイムズ紙に語った。

 プーチン氏に向けられた怒りが高まっているにもかかわらず、同氏を裁判にかけることは、仮にそれが起きるとしても何年もかかるかもしれないと法律専門家は述べる。

 米平和研究所の残虐行為防止担当上級プログラムオフィサー、ローレン・ベイリー氏は「それには長い時間がかかり、そのことは最も腹立たしいことの1つになるだろう」として、「戦争犯罪が起きた時にそれを糾弾しても、責任を負うべき指導者たちへの抑止効果はない。なぜなら彼らは自分が何をしているか知っているからだ」と語った。

 第二次世界大戦後の協定であるジュネーブ条約は、戦争中に従わなければならない人道法を詳述している。人権侵害には、民間人を故意に標的にしたり、民間施設を攻撃したり、戦争捕虜を虐待したりすることが含まれる。

 国連ジェノサイド防止事務所は、戦争犯罪、ジェノサイド、そして人道に対する罪と呼ばれるものを区別している。各行為は、それが発生した状況下で考慮されなければならず、満たすべき個別の基準がある。

 ジェノサイドとは、民族的、人種的、国家的または宗教的な集団を、それ自体を理由に破壊する意図をもって行われる行為として定義される。

 ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は4日、ロシアの攻撃はジェノサイドに相当し、ウクライナ国民は「破壊され、絶滅させられている」と述べた。

 バイデン氏はこれに同意せず、4日に民間人の死がジェノサイドに当たるのかと尋ねられ、「いや、戦争犯罪だと思う」と答えた。

 それにもかかわらず、プーチン氏から、引き金を引いたとして一兵卒に至るまでロシア関係者は誰でも、ブチャでの虐殺の戦争犯罪の告発に直面する可能性がある。検察官は、プーチン氏や他のロシア政府高官が違法な攻撃を命じたか、戦争犯罪が行われていることを知っていたが、それを止めなかったという証拠を提示する可能性がある。

 しかし、こうした事件はしばしば資源と効率性の制約を受け、検察官は最高幹部への捜査に集中することを余儀なくされる。罰則には懲役刑が含まれるが、民間人の家や財産が攻撃で破壊された場合の賠償も含まれる可能性がある。

 ハーグの国際刑事裁判所(ICC)は、ウクライナにおける戦争犯罪の可能性について、既に捜査を開始している。しかし、ロシアもウクライナもICCのメンバーではなく、モスクワはその権威を認めておらず、問題を複雑にしている。ロシアはICCに協力しないと決定できるため、被告が逮捕されるまで裁判を遅らせることができる。

 一方、ウクライナはICCに対し、2014年のロシアによるクリミア併合にさかのぼる残虐行為の証拠を調査する承認を与えている。

 ロシアは国連安全保障理事会の常任理事国でもあり、同理事会が課す戦争犯罪への説明責任を阻止できることを意味している。

 ホワイトハウスのジェイク・サリバン国家安全保障担当補佐官は4日、米国はICCや他の機関にロシアに責任を負わせるよう圧力をかけると述べた。同氏は、ブチャでの殺害は「ウクライナの占領地全体に恐怖の支配を課す」ことを意図していると示唆した。

 同氏はブチャにおける虐殺について「いいえ、われわれはこれが偶発的な事故だとは思わない」として、「これは計画の一部だったとわれわれは信じている」と述べた。

 それでも、ロシアがICCの権限を認めず、プーチン氏がクレムリンに籠ったままであれば、責任を負わせるためにできることはほとんどない。

 「不在裁判はできるが、被告が自ら弁護することが望ましいので、それが必ずしも最も信頼できるとは限らない」とベイリー氏は述べた。

 戦争犯罪事件における検察官の有罪判決記録は不明だが、近年はある程度の成功を収めている。

 ユーゴスラビアの元支配者スロボダン・ミロシェビッチ氏は、1990年代の祖国崩壊時の戦争犯罪で裁判にかけられた。同氏は、国連の法廷が評決に達する前に刑務所の独房で死亡し、こうした司法手続きの遅さを印象付けた。

 しかし、ミロシェビッチ氏と裁判にかけられた2人の協力者は有罪判決を受け、どちらも終身刑に服した。

 リベリアの元首チャールズ・テイラー氏は、シエラレオネで残虐行為を行ったとして有罪判決を受け、現在50年の懲役刑に服している。昨年亡くなったチャドの元指導者ヒセネ・ハブレ氏は、同国で人道に対する罪で終身刑を受けた。

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