バイデン政権、米国内のエネルギー採掘再開で左右から激しい批判

(2022年4月23日)

2015年4月24日のファイル写真、ニューメキシコ州ラヴィントン近郊の畑で働くポンプジャッキ。 バイデン政権は、石油や天然ガスの掘削のために公有地の新規リース権を販売する道を開いたが、生産者には高いコストで、気候団体やエネルギー産業から同様に反対されているとして非難を受けている。(AP写真/Charlie Riedel、ファイル)

By Ramsey Touchberry – The Washington Times – Saturday, April 16, 2022

 バイデン米政権は、石油と天然ガスの掘削のため、生産者にとってより高いコストで公有地の新規リースの売却を再開したが、気候団体とエネルギー業界からの反対を受け、非難を浴びている。

 内務省は15日、バイデン大統領が就任して以来初めて化石燃料掘削のためのリースを再開すると発表した。これはガス価格の高騰の中で国内のエネルギー生産を増やそうとする重要な動きだ。

 しかし、新しいエネルギーが生産されるまでには数年かかり、掘削会社が支払う使用料は12・5%から18・75%に1世紀ぶりに引き上げられる。これにより、おそらく数十億ドルの新たな収入を生み出されるだろうが、新たな掘削のためのリースを行わないという大統領選当時のバイデン氏の公約に反する。

 気候変動への積極的な対策を求める人たちは、バイデン氏の気候政策が議会で停滞する中、政権が環境に関する目標を達成できなかったもう一つの事例としてこのニュースを位置付けた。一方、エネルギー業界は、リース料の引き上げにより新たな掘削のインセンティブが削がれるとして、エネルギー政策に対する政権の曖昧な立場を示すもう一つの事例であると述べた。

 内務省は来週、アラバマ、コロラド、モンタナ、ネバダ、ニューメキシコ、ノースダコタ、オクラホマ、ユタ、ワイオミングの9州で約14万4千エーカーの土地の約173区画を競売にかける。この規模は、もともとエネルギー会社が指定した面積よりも80%の少なく、業界からの批判を招いた。 

 内務省のデブ・ハーランド長官は15日の声明で「あまりにも長い間、連邦政府による石油・ガスのリース計画は、地域社会、自然環境、大気と水への影響、部族のニーズ、公有地の他の用途での利用よりも、採取産業の欲求を優先してきた」として

、「われわれは今日、米国人の資源を最高かつ最良に使用し、現在および将来のすべての世代の利益をもたらすため、仕切り直しをする」と述べた。

 2021年11月の内務省の報告書は、使用料が低すぎるために連邦政府が2010~19年にかけて最大124億ドルを失ったと推定し、リース計画の見直しを推奨した。政府説明責任局による2003~19年までの分析によると、陸上の石油・天然ガスのリースは通常、年間約30億ドルの収益を生み出している。

 この発表は、復活祭の日曜日のわずか2日前の15日午後遅くに行われた。それはまた、ラマダンや過越祭を含む他のいくつかの主要な宗教的休日だった。批判的な人たちは、注目や調査を避けるため、意図的にこのタイミングを選んだと指摘している。

 この決定は、気候変動と戦うため公有地において化石燃料の掘削を終わらせるというバイデン氏の主要な選挙公約に反しており、民主党内の環境活動家や支持者は、地球温暖化と戦うという約束が実現するかどうか疑問に思い、不満を示している。

 気候変動問題を提唱する政治行動団体「サンライズ・ムーブメント」は「公有地での掘削を許可しても、石油会社による価格のつり上げは解決されない。それにも関わらず、なぜバイデン氏は約束に反することを行うのか」とツイート。その上で「気候危機を食い止めるためには、化石燃料への依存を深めるのではなく、100%再生可能エネルギーに移行する必要がある」とした。

 新たな化石燃料プロジェクトへの連邦政府の承認を終わらせるよう求めた1100以上の団体の連合体である「ビルドバック・フォシル・フリー」は、バイデン氏に気候非常事態を宣言し大統領に様々な面で非難した。声明で、バイデン氏が「約束に違反した」し、「化石燃料産業へのもう一つの補助金」を与えたと述べ、「この政権からの言い訳と怠慢にうんざりしている」と付け加えた。

 ビルドバック・フォシル・フリーは、「現実は単純だ。彼らは気候危機を抑制するために行動すると述べたが、すべての重要な機会にそうしていない」と述べた。その上で「バイデン氏が本当に家族や地域社会に貢献したいのであれば、行政権限を使って気候非常事態を宣言し、新しい化石燃料プロジェクトへの連邦政府の承認を終わらせ、すべての人に100%再生可能エネルギーを提供するための大規模な投資を展開することができる」とした。

 さらに声明は「そうするまでは、証拠は彼の言葉ではなく、行動にある」と続けた。

 エネルギー業界は、連邦議会で業界寄りの共和党議員とともに、生産を増やすためにリース販売を再開するよう長年求めてきたにもかかわらず、あまり評価しなかった。

 米国独立系石油協会の最高執行責任者(COO)であるジェフ・エシェルマン氏は、この発表を「不明確なメッセージであり、奇妙なほど一貫性がない」と表現した。

 エシェルマン氏は「この政権は外国からより多くの石油を懇願し、価格を吊り上げているとして、米国のエネルギー生産者を非難し、リースを遅らせていた。今、圧力を受け、休日の遅い時間の発表で、何年もの間掘削計画に不確実性を加えるであろう大幅な使用料の増加を伴うリース販売を発表した」と述べた。その上で、「簡単に言えば、この政権下の米国には、首尾一貫したエネルギー政策がない」と批判した。

 ワイオミング州選出で上院エネルギー委員会の上級委員であるジョン・バラッソ議員(共和党)も強い叱責を表明した。同氏はバイデン政権がエネルギー生産を制限するために「今なお、できる限りのことをしている」と非難した。

 バラッソ氏は「第一に、それはバイデン氏の大統領就任時に課した違法なリース停止だった。現在、この提案は、リースのために提供される土地を80%削減しつつ、陸地のリースのコストを劇的に増加させるている」と指摘。その上で「大統領は国内生産を制限するために何もしていないと主張しているが、再び政権は米国のエネルギーをより高価にし、生産を困難にしている」と述べた。

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