プーチン氏に攻撃強化圧力 強まる軍内強硬派の不満

(2022年6月9日)

2022年3月21日、ウクライナのキエフで、ロシア軍による砲撃後、ショッピングセンターがくすぶる中、破壊状況を調査する人々。ロシアのウクライナ侵攻から100日、容赦ない砲撃、爆撃、空爆により、多くの都市や町の大部分が瓦礫と化している。(AP写真/ロドリゴ・アブド、ファイル)

By David R. Sands – The Washington Times – Sunday, June 5, 2022

 ウクライナ侵攻をめぐって西側各国からの反発が強まり、ロシア国内からも一部で反戦の声が上がる一方で、戦果が上がっていないことへの不満から、ロシア軍内の強硬派などの間で攻撃の強化を求める声が上がっている。

 米政府系放送局ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティ(RFE/RL)が入手した音声データから、ロシア軍の2人の大佐が、攻撃が不十分だとプーチン大統領や軍幹部らを非難していたことが明らかになった。

 侵攻初期段階の首都キーウ(キエフ)攻略の失敗についても、撤退は安易すぎたと主張、「ロケット砲を(ウクライナ議会に)撃ち込め」と訴えるなどプーチン氏、ショイグ国防相、軍指揮官らを非難している。

 これまでこのような強硬な発言が伝えられることはあまりなく、軍内部などで現状に不満が強まっていることを物語っている。退役軍人組織、軍事専門家の間からも、「戦争に勝つ気があるのか」という主張が、ソーシャルメディアを通じて拡散されている。

 米誌フォーリン・ポリシーの国家安全保障・情報担当記者エイミー・マッキノン氏は、「(タカ派は)戦争のペースが遅いと批判、一部は(プーチン氏に)国家総動員の発動を訴えている」と指摘した。

 欧州政策分析センターの上級研究員でロシア調査報道を行っているイリーナ・ボロガン、アンドレイ・ソロダトフ両氏は「3カ月間の戦争で、これまで全く見られなかったことが起きている。ロシア軍内で議論が沸き起こり、国防総省の手に負えなくなっている」と、現役の軍人や退役軍人の間から、攻撃の強化を求める声が急激に強まっていることに危機感をあらわにしている。

 プーチン氏は、欧米各国からの武器支援が強化されていることを受けて、攻撃の強化をちらつかせるなど反発。一方で、戦況への不満から、5人の将官、1人の警察幹部を解任したばかりだ。

 米シンクタンク、戦争研究所は5月30日の戦況分析の中で、「軍とナショナリストらの間で、ロシア軍の損失への怒りと、戦争への取り組みが変化していることへの不満」が高まっており、「具体的な戦果がなければ、国内の不満は強まるばかりだ」と警告している。

1989年5月17日、中国・北京の天安門広場は、民主化を求める集会で数千人の群衆で埋め尽くされた。(AP通信/Sadayuki Mikami)

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