IRSによる職員雇用問題
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, August 18, 2
「インフレ低減法」が上院を通過する少し前に、2000人以上を対象にした世論調査が行われた。米内国歳入庁(IRS)に8万7000人近くの職員増員の権限を与えるという同法について、ほぼ半数(45%)が、深刻な懸念を表明した。
大統領の報道官であり、財務長官でもあるジャネット・イエレン女史は、民主党議員らの心配も気に掛けず、国民に、新職員は全員、行政事務担当者だと力説した。中流・労働者階級の納税者へのランダムな監査を担当することになるという非難が起きたが、それは、共和党の偏った解釈だと一蹴された。
法律自体が、顧客サービスに向けられるのは、新たに授与された権限のわずか4%としていることを考慮すれば、これは信用し難い。新職員雇用によりIRSに投入される見込みの2000億ドル余りの財源は、中流・労働者階級の懐の外に見当たらない。超富裕層とは異なり、法律で義務付けられている税額にいくらか上乗せされても、彼らには、それを支払わないようにするために弁護士や会計士を雇う力はない。バイデン大統領なら「薄っぺらな10セント硬貨」にすぎないと言うことだろう。
民主党員らは、(法的に義務付けられている税金を払わない)脱税と租税回避とを一緒くたにしていると、上流階級を冷たく皮肉っている。
納税者の味方の議員らはまだ、この提案を無効にすることができる。9月30日以降も政府閉鎖を回避できる包括的予算案は、来年に持ち越せるばかりでなく、IRSの職員新規採用の権限も取り戻せるはずだと主張できる。
地元の有権者なら、受け入れるだろう。ロイス・ラーナー氏(注)の部下らによって非営利団体の地位の申請を阻まれた人々が言っているように、今機能しているIRSがもっと多くの予算を必要とする理由は、そこの職員が何を言っても、はっきりしない。米国の国家安全保障にとって極めて重要で、大変な資金不足で人員不足に陥っている機関である税関・国境警備局(CBP)に資金を振り向けないのは、どういう訳か。国境の安全を確保するためではなく、より多くの徴税人を雇うために資金を用意することは、今日のように、連邦の歳入が増えている時に、合理的な行為ではない。
たとえ、失敗する可能性が高くても、別のプランを用意しておくべきだ。共和党下院少数党院内総務、ケビン・マッカーシー氏は、もし秋の選挙で共和党が過半数を取れば、下院の第1号法案で、IRSの規模や権力を増大させるために議会が可決したすべての法案を直ちに廃案にすると約束すべきだ。
新入社員の雇い入れを止めにし、IRSに無理にでも、やりくりさせるやり方は、彼らと私たちにとって、どういう人間が担当すべきかを学ぶ重要な機会になるであろう。
目標が本当に未収の税金の徴収を簡素化することであれば、議会は、スティーブ・フォーブス氏の17%均一税率案のような法案を可決し、大統領はそれに署名すべきだ。還付ははがきで申請する。低税率や、控除の制限は、不正行為を排除するための最善の方法だ。
民主党は、9月を人々にIRSの不良商品(政策)を販売するのに使うであろう――より迅速に払い戻しや、返品処理をしたり、より多くの人に電話応対をさせたりするであろう。共和党もこういうことは、公共政策の失敗例として肝に銘じ続けるべきだ。
注:IRSの免税部門の責任者だったが、ティーパーティー運動など、保守派政治団体だけを対象に税審査を厳格化したとされるスキャンダルで辞任に追い込まれた。