気候変動グループ、マンチン氏との約束破棄を民主党に要求
By Ramsey Touchberry – The Washington Times – Wednesday, August 24, 2022
650以上の活動家団体が、議会の民主党指導者らに、党の大規模な気候変動・税制法の成立に貢献した人物との約束を実行しないよう求めている。この人物とは、ジョー・マンチン上院議員のことだ。
何百もの民主党系の気候変動などに関する擁護団体が、24日にナンシー・ペロシ下院議長とチャールズ・シューマー上院院内総務宛てに書簡を送り、カリフォルニア州とニューヨーク州の民主党議員に、化石燃料を含むエネルギー事業の合理化を図る法案を可決させるマンチン氏への約束を破棄するよう要求した。
ウェストバージニア州選出の民主党議員、マンチン氏は保守的なことで知られ、インフレ低減法と呼ばれる歳出削減法への支持の代償として、エネルギー・インフラ・プロジェクトを何年も遅らせることが多い官僚的な許可規制を削減する法案の通過を議会が保証することを要求した。
この書簡は、党内左派とマンチン氏との間の緊張がこのところ高まっていることを示すもので、互いに負い目もない。
書簡には、非政府組織フード・アンド・ウォーター・ウォッチも署名している。
フード・アンド・ウォーター・ウォッチの全米組織部長トーマス・マイヤーはインタビューで、「これは化石燃料産業による、化石燃料産業のための取引だ。これは新しいことではない。石油大手が長い間望んできたことを実現するために、マンチン氏がその時々の政治を利用しようとしているということだ。民主党は過去2年間、マンチン氏とその取り巻きに振り回されてきた。私たちは彼に何の借りもない」と述べた。
ペロシ氏、シューマー氏、マンチン氏の各事務所にコメントを求めたが、応じなかった。
議会が8月の休会から戻る今後数週間は、この約束に反対するロビー活動が激化することが予想される。環境保護団体の連合組織は、9月8日にワシントンで「マンチンの汚い取引」を標的にした抗議行動を計画している。
認可改革をめぐる合意には、化石燃料とクリーンエネルギーの両方のプロジェクトを迅速に進めることや、停滞している66億ドルの天然ガス用ウェストバージニア・マウンテン・バレー・パイプラインを完成させることが含まれている。正式な文書はまだ発表されていない。
活動家らは、このような法案は、民主党が数週間前に可決した歴史的な気候変動対策と矛盾すると主張している。この法案にはおよそ3700億ドルが含まれ、今後10年間で温室効果ガス排出量を2005年比で40%削減できると予測されている。
マンチン氏は、左派が二つの理由で約束を破ろうとしていると警告している。それは、新しいクリーン・エネルギー・プロジェクトの妨げになることと、政府機関の閉鎖を引き起こす可能性があることだ。
民主党の指導者らは、まだ完成していない法案を、政府機関の閉鎖を避けるために9月末までに議会が承認しなければならない暫定的な資金調達策に結びつけたいと考えており、これによって離反者が出るのを食い止めたいと考えている。
活動家らは書簡の中で、このようなやり方は「道徳的に忌むべきもの」だと主張。環境規制を後退させることは、公害や気候変動の影響を最も受けている社会から疎外されたコミュニティーに対する「深い裏切りを意味する」と懸念を表明している。
「化石燃料に大きな経済的利害を持つ1人の議員のために、連邦政府全体の資金を人質に取ることは、無責任極まりない。アパラチア、メキシコ湾岸、アラスカ、中西部、南西部など、全米の最前線のコミュニティーの健康と繁栄を犠牲にするものであり、恥ずべきだ」
ラシダ・タリーブ下院議員(ミシガン州)のような極左の民主党議員は、「確かに今、ジョー・マンチン氏には何の借りもない」と述べている。下院天然資源委員会のラウル・グリハルバ委員長(民主、アリゾナ州)は、最新のニューズウィークの論説で、「民主党は法案通過の見返りとして、誰にも何の借りもない」と書いている。
マンチン氏は自党を味方につけるだけでなく、少なくとも10人の上院共和党議員を説得して法案を支持させなければならない。共和党は長年、エネルギー許認可改革を主張してきたが、民主党が党派を超えて気候・税制関連法案を可決したことを受けて、共和党の上院議員らは協力する気がないことを示唆している。
マンチン氏は先週、故郷の州で開かれたイベントで「今、左派の強硬派は、『マンチン氏を助けるように見えるようなことは、今はしない』と言っている。…これは、私が共和党に協力してきたこの5~7年の間、共和党が望んでいたことだ。政府機能を維持するか、閉鎖するかのどちらかだ。9月30日には決まるから、この駆け引きがどのように展開するか見てみよう」と語った。