バイデンのエネルギー政策
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, October 13, 2022
バイデン政権は、エネルギーに関して無能であることを公表する好機を決して逃すことはないようだ。
数日前、石油輸出国機構(OPEC)は、石油の生産割当を日量200万バレル削減する計画を発表した。これは、石油・天然ガスの世界市場について少しでも知っている人なら、誰一人として驚くことではなかった。OPEC加盟国は、原油価格は市場の原理を反映していないと何週間も言い続けていたからだ。
さらに、チーム・バイデンは、政治目的で戦略的石油備蓄を空にすることで、ここ数カ月間、石油市場に悪影響を及ぼしてきた。ロシア産石油の価格上限について話し合っていた欧州人も同様だ。
これに驚いたのは、国民だけだったのか。なすすべを知らないバイデン政権や、仲間の民主党議員らも同じだったのか。バイデン氏は、「がっかりした」と言い、重大な結果を招くと脅したりした。しかし、議会の彼のひいき筋は公然と、軍装備品をサウジアラビアに売却しないことについて協議した。
今回の件で最も当惑する点は何であろうか。バイデン政権が十分に注意を払っていたならば、OPECの生産量はすでに、現在の割当量よりも日量300万バレル少ないことを知っていたはずだ。今回の発表は、単に、その現実を確認しただけなのである。市場は、原油価格が、総計約1%上昇したこと知っている。
それにもかかわらず、政権内の一部は、米国から他国への石油および精製品の輸出禁止を検討している。しかし、そのような禁止は、世界のエネルギー市場を混乱に陥れ、ガソリン、トラック、船、飛行機などで輸送されるすべてのモノの価格を上昇させ、世界をさらに深刻な景気後退と経済的絶望に追いやるであろう。
あるレベルでは、これらすべてが、この政権の致命的な欠陥の一つを明示している。グループとして彼らは、エネルギー市場について何も知らない。また、世界のエネルギー市場がいかに機能するかについて、恐らくアモス・ホホスタイン氏以外は、ほとんど理解していない。それは、驚くことではない。私たちのエネルギーシステム全体が、人間の力では付けたり消したりできない、共産主義中国に完全に依存するエネルギー源で完全に構成し得る、または、構成されるべきだと考えるのは、世界の複雑さについて幼稚な理解しかしていない人々だけだ。
エネルギー源に関するこの政権の原罪は、無論、この国で使用されるエネルギーの約80%を実際に供給しているそれらの源泉――石油、天然ガス、石炭――に対する軽視である。パイプラインのキャンセルや妨害、石油・天然ガスの生産の遅延、石油・天然ガスの生産への投資に対する着実な削減圧力、共産主義中国産の電気自動車その他のエネルギー製品を奨励するための連邦政府の権力の行使――これらは、エネルギーの基本的な事実を知らないふりをしている連中の行動なのだ。
最後に次の考えを、注意事項として伝えたい。チーム・バイデンは、愚かさにおいてさえ一貫していない。彼らは、OPECのニュースへの対応が示唆するように、石油の増産が善なのか、それとも、エネルギー政策の構造全体が明らかにしているように、悪なのかを判断を下す必要がある。
より豊富で、より手頃な価格の、そして、より信頼できるエネルギーというのが、常に正しい答えである。