米大学の外国人留学生数がコロナ前の8割まで回復

(2022年11月21日)

ファウンダーズ・ライブラリーを背景に、ハワード大学のキャンパスで読書をする青年(2021年7月6日、ワシントン)。(AP写真/Jacquelyn Martin)

By Sean Salai – The Washington Times – Monday, November 14, 2022

 米国務省が資金提供した報告書によると、昨年、米国の大学に初めて入学した外国人留学生の数は、新型コロナウイルス流行前の80%まで回復したことが分かった。

 国務省教育文化局と非営利団体「国際教育研究所」が14日に報告したところによると、2021~22年度に新たに入学した留学生の数は26万1961人に上った。パンデミックによる渡航制限で2019~20年度の出願が減少し、2020~21年度の新規入学者数が10万人減少していた。

 「留学生の数が増加傾向にあり、米国が海外の学生に選ばれるトップの留学先として世界的なリーダーシップを維持していることに興奮している」。リー・サターフィールド国務次官補(教育文化担当)は、声明でこう述べた。

 昨年は全体で200カ国から94万8519人の学生が米国で学んだ。これは2020~21年度から4%の増加だ。今秋はこれまでのところ9%増えている。

 回復の大半は大学院生で、学部の入学者数は流行前の水準から落ち込んだままだ。

 報告書によると、昨年は学部留学生の入学が4%減少し、大学院の入学は17%増加した。その結果、米国で学ぶ大学院留学生の数が、初めて学部生の数を上回った。

 報告書によると、昨年、中国から米国に来た学生数は、9%減の29万86人だった。中国の厳しいパンデミック制限により、多くの学生が出願を延期した。

 同時期に渡米したインド人学生の数は19%増の19万9182人だった。インドは今年、中国を抜いて米国の学校に大学生を送り込むトップ国となる可能性がある。

 「中国政府の政策の変化と中国の大学の質向上により、中国からの学部生の数は減少し続ける可能性が高い」と、ペンシルベニア大学国際エンゲージメント部長のアラン・ルビー氏は指摘した。「インドが教育分野を国際競争やより緊密な国際的関与に開放し続ければ、二つの重要な民主主義国間で学生の流れがより強まる可能性がある」

 多くの大学は、財政面で留学生に依存している。留学生たちは、連邦ローンを利用する国内の学生とは違い、授業料を全額支払うことが多いだからだ。

 商務省によると、留学生は昨年、米国経済に320億ドルの貢献をしたという。これは、パンデミック前の最高水準と比べると約60億ドルも下回っている。

 ジョージ・メイソン大学メルカトスセンターの上級研究員であるエコノミストのウェイフェン・ゾン氏は、米国がこの水準を維持するためには、中国人学生を引き付け続けなければならないと語った。

 14日の報告書によると、2021~22年度は留学生が米高等教育機関の総学生数の4.7%を占めた。留学生の約9割が対面学習に戻り、数学とコンピューターサイエンスが工学を抜いて最も多い学問分野となった。

 保守系の「全米学識者協会」によると、新型コロナの影響で入学者数が2年間減少したことを受け、多くの小規模大学が門戸を開放して留学生を必死に求めているという。

 同協会のピーター・ウッド会長は、収益性の高いSTEM(科学、技術、工学、数学)分野で、中国人が米国人に代わって急速に増えているのはそのためだと指摘した。

 ボストン大学で副学部長を務めたウッド氏は、「これらの大学の幹部たちは、中国人留学生の多くが中国共産党のエージェントであり、米国の技術的専門知識の取得やトップ研究者との親密な関係構築、知的財産のあからさまな窃取に熱心であることが分かっても見て見ぬふりをしている」と語った。

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