新型コロナ制限措置は10代の女子に精神的負担もたらす
By Sean Salai – The Washington Times – Tuesday, December 13, 2022
新型コロナウイルスによる公衆衛生制限が始まってから、精神的な問題で入院する10代の若者が急増し、中でも女子の情緒不安定が最も深刻だったことが研究結果で明らかになった。
27人の研究者から成る国際グループが、2019年2月1日から21年4月30日にかけての米国とフランスの小児病院8カ所のデータを分析し、その研究結果を13日にオープンアクセス医学誌「JAMA Network Open」に公表した。
重度の不安やうつ、自殺のリスクで入院した11~17歳の若者の数を2020年3月までの14カ月間とその後の13カ月間で比較したところ、9696人から1万1101人と14%増加したことが分かった。
同じ二つの期間に、精神科の入院治療を受けた10代と20代の割合は、この年齢層の全入院の33.6%から36.4%に増加した。
「これらの研究結果は、パンデミック時およびそれ以降も、精神疾患を持つ10代の若者をケアするために小児病院内でより多くのリソースを必要としていることを裏付けるものだ」と、研究者たちは明記している。
研究者たちは、10代の自殺率が2010年以降増加していることにも言及している。
新型コロナによる最初の隔離政策が始まった頃、精神的な問題で入院したすべての10代の若者のうち、女子の占める割合が61.5%から68.5%に上昇したことが、この研究で明らかになった。
急増した入院で治療が行われた精神的問題には、自傷行為の「カッティング」未遂、摂食障害、薬物乱用、強迫性行動などがあった。
シンシナティ大学子供の教育・娯楽調査研究所のディレクター、ナンシー・ジェニングス氏は、若者たちが家にいる間に男女の差が広がった理由は不明だが、女子は一人でビデオコンテンツを見ることが多く、男子は友人とオンラインでビデオゲームをすることが多かったと指摘した。
「男子はゲームを通じて仲間とつながりを維持するネットワークをすでに確立していた」と、ジェニングス氏は電子メールで語った。「ゲームは人を引き付ける現実逃避の空間であり、危機管理の観点から精神衛生上の休息を提供できる傾向がある。女子もオンラインで友人とつながることを楽しんでいたが、対面での交流に比べて満たされないと感じる人もおり、電子機器から得られる恩恵が望んだほどではなかったのかもしれない」
パンデミックで学校やその他の社会的空間が閉鎖された期間、10代の若者の間で不安やうつ、自殺リスクが急上昇したという報告が次々に出ているが、この研究結果もそれを反映している。
ビベク・マーシー米軍医総監と米国心理学会(APA)は、長引く若者の精神衛生危機について警告を発している。
13日に公表されたこの研究結果は、米国の若者の間で「精神衛生上の課題の津波がパンデミック中に加速した」ことを確認するものだと、APA会員で臨床心理学者のトーマス・プランテ氏は主張した。
「もちろん、研究結果は相関関係に基づいているかに留意する必要がある。因果関係は複雑であり、例えばソーシャルメディアの影響など、他の変数が結果に関与している可能性もある」と、サンタクララ大学教授のプランテ氏は指摘。「それでも、若者の間で精神衛生上の問題が増えていることは明らかであり、この研究結果はわれわれが直面している危機をよく表している」