武漢研の危険な研究を報告せず 資金提供の米非営利団体-厚生省調査

(2023年1月29日)

2021年2月3日(水)、中国湖北省の武漢で世界保健機関(WHO)チームの訪問中、武漢ウイルス研究所の入り口付近に集まる警備員ら(ファイル写真)。(AP Photo/Ng Han Guan)

By Stephen Dinan – The Washington Times – Wednesday, January 25, 2023

 米国立衛生研究所(NIH)が、中国の武漢ウイルス研究所(WIV)で危険性のある研究が行われていた兆候を見逃し、研究所で何が行われているかを十分に把握しないまま資金を提供していたことが、厚生省の調査報告から25日、明らかになった。WIVは、新型コロナウイルスの発生源の可能性が指摘されている。

 ニューヨークの非営利団体、エコヘルス・アライアンスはNIHから補助金を受け、その資金をWIVのウイルス研究に提供していた。NIHは、研究に注意を払い、致死性の高いウイルスを「強化」する研究が実施されていれば報告するようエコヘルスに求めていた。報告によると、エコヘルスは報告義務があったにもかかわらず、WIVでの危険な研究について厚生省に知らせなかったという。

 報告は「NIHが、エコヘルスの支援で実施されていた研究に関連する潜在的リスクを知っていたにもかかわらず、十分な監視を行わず、研究に関する条件をエコヘルスに順守させるための適切な行動を取らなかった」と結論付けている。

 現在も、NIHは、新型コロナの感染拡大直前の2019年に米国からの資金でWIVがどのような研究を行っていたかを把握していない。WIVが米国からの情報開示の要求を拒否しているからだ。

 共和党のアーンスト上院議員は、「怠慢と隠蔽の責任を問われるべき」だとNIHとWIVを強く非難、エコヘルスへの監査の実施と、補助金の返還を求めた。

 アーンスト氏によると、エコヘルスは政府から依然、資金を得ており、昨年12月には300万ドルを国防総省から受け取っている。

 共和党のマーシャル上院議員も、NIHは「自治政府のようだ」と指摘、「監督と管理がなされなかったことが、資金援助を受けた研究の健全性を損ね、研究所の事故によって危険な病原菌に米国民がさらされる危険を冒した」と訴えた。

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