南極でプレゼンス拡大を目指す中国

(2023年1月30日)

2017年3月に撮影された、白い氷と青い海が広がる厳寒の南極地域(米研究施設マクマード基地)。NASAの「オペレーション・アイスブリッジ」は、南極の氷を毎年測定し、変化を追跡して海面上昇の予測に役立てている。(Chris Larsen/NASA via AP)

By Mike Glenn – The Washington Times – Tuesday, January 24, 2023

 中国は台湾を脅迫し、南シナ海で近隣諸国に挑戦し、ヒマラヤ山脈の高地でインドと衝突し、サハラ以南のアフリカや南米、宇宙、サイバー空間に至るまで、あらゆる場所で米国主導の国際秩序を破壊しようとしている。その中国は今、世界の超大国となるために、新たな戦線を切り開こうとしている。それは南極だ。

 中国はその経済力と増大する軍事力を利用して「北極近隣国」としての役割を主張している。地球温暖化で北極の資源と貿易ルートがアクセスしやすくなる中、安全保障と経済的な役割を模索しているのだ。

 中国は世界の反対側で、10年後までに「極地大国」になることを目指して、南極大陸での足跡を拡大している。

 「中国はあらゆる地域で重要なプレーヤーとみなされることに関心を持っている」。ワシントンに拠点を置く「新米国安全保障センター」インド太平洋安全保障プログラムのジェイコブ・ストークス上級研究員は、こう指摘した。「中国の(極地で)活動する能力は、『世界をリードする』ほどではないが、『世界トップクラス』だ」

 中国の国家安全法は、自分たちの主張を行使する法的枠組みを作り上げた。中国は科学プロジェクト、商業ベンチャー、インフラ投資を通じて、南極大陸でのプレゼンスを高めている。

 ブルッキングス研究所のアナリストによれば、中国軍幹部は極地を「戦略的フロンティア」と呼び、西側との軍事的競争地帯と位置付けている。

 アルゼンチン、オーストラリア、チリ、フランス、ニュージーランド、ノルウェー、英国の7カ国が南極大陸の一部領有権を主張しているが、この広大な氷の地域の主権を主張する国は一つもない。

 南極大陸は、1959年12月にワシントンで調印された南極条約によって統治されている。54カ国が参加するこの条約は、南極大陸を「平和目的のみ」に使用することを義務付けている。新たな領有権主張は認められず、南極大陸で行われた科学的調査は他のすべての国々と共有されることになっている。

 中国は1985年に南極大陸で最初の観測施設として長城基地を設置し、他にも中山基地、崑崙基地、泰山基地、ロス海のインエクセシブル島基地と、少なくとも4カ所建設している。

 「科学者は南極大陸に大量の天然資源が埋蔵されていると主張している。南極はまた、軍事・宇宙活動の戦略的位置にある」。ウェブサイト「チャイナ・ストーリー」は、中国が南極大陸に最大の国家的投資を行っていると伝えている。

 米軍は中国を「ペーシング・チャレンジ(深刻化する挑戦)」と表現し、南極での中国の活動を注視している。米国防総省は昨秋、米軍の「ディープフリーズ作戦」の一環として、「気候研究やその他の科学的活動」を支援するため、州兵420人を追加で南極に派遣すると発表した。

 国防総省報道官のパトリック・ライダー空軍准将は昨年10月、この地域での中国の活動強化は懸念材料かどうか尋ねられ、「米軍はオーストラリアやニュージーランドとこの地域全体で行うさまざまな演習で緊密に協力している」と報道陣に語った。

 中国が南極の科学基地を軍事目的で利用することに懸念が出ている。人民解放軍によるミサイル攻撃の衛星指揮統制機能強化を支援することなどがそうだ。オーストラリア戦略政策研究所の調査によると、中国は中山基地と崑崙基地に地上衛星追跡局を設置している。

1989年5月17日、中国・北京の天安門広場は、民主化を求める集会で数千人の群衆で埋め尽くされた。(AP通信/Sadayuki Mikami)

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