厳しい非難を受ける支出依存症
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, February 2, 2023
依存症は恐ろしいものであり、これにかかった者は、助け手なしには止めることができない破壊的な行動様式に閉じ込めてられてしまう。強迫観念にとらわれたかのように支出に頼るようになることも、非常に困った依存症の一つであり、その中毒になった人や、愛する人たちを貧困に陥れる。「米国債務時計」を一目見ただけで、バイデン大統領とその仲間の民主党議員をわなに陥れ、ひそかに進行した支出の乱脈ぶりがはっきり分かる。米国民は、国家財政の将来のさらなる破壊から自らを守ろうとする気の進まない仕事に直面しているのだ。
今月初めに国の債務が、その上限である31兆4000億ドルに到達したために、債務上限の引き上げを巡って、ワシントンは政治的混乱に陥っており、過剰支出に頼り続けている現状が浮き彫りにされている。バイデン氏は、頑としてそれを認めず、債務上限を引き上げる法案を「無条件で」可決するよう議会に要求した。そんな中、ジャネット・イエレン財務長官は、政府支出の一部を先送りする「特別措置」を取り、債務不履行を少なくとも6月まで遅らせた。
バイデン氏は自身の姿を見るどころか、共和党を激しく非難し、国家財政を危険にさらしているのは彼らだと糾弾した。「世界中で最も安全で、最も高い評価を受けている債務を、私たちが焦げ付かせるだろうという正に彼らの考えこそが、びっくり仰天だ」と言って、木曜日、彼はシーッ、黙れというジェスチャーをして見せた。稼いだ金でなく、借りた金のことを「高く評価されている」と表現することは、バイデン流の逆さまの価値観を露呈している。
公平を期するために言えば、バイデン政権の5兆ドルもの支出をだらしなく許してしまったことへの責任は、共和党にもある。少なくとも、どのようなものであれ、歳出削減を条件とする新たな債務上限協定を締結しようとする彼らの試みは、改革への決意を示している。
ケビン・マッカーシー新下院議長は「FOXニュース・サンデー」で、「腰を据えて、米国のために行動様式を変えよう」と呼び掛けた。「なぜなら、私たちが、このままの姿で、物事をやり続けることは、この国を破産させ、現行の社会福祉制度も破産させることになるからだ」と。
彼の呼び掛けは、世論に裏打ちされた理性的な訴えである。最近のハーバード/ハリスの世論調査で、有権者の63%が、債務上限引き上げは、支出の抑制とリンクすべきだと考えていることが分かった。民主党は支出制限の交渉を拒否すべきだと主張する回答者は、わずか37%であった。手ぬるい監査により、推定5000億ドルの新型コロナウイルス救援資金が詐欺によって失われた後、初めて、ワシントンの支出依存症が米国人にはっきりと証明された。
記録的な歳入があっても、これだけ使っていては間に合わない。米財務省は、2022会計年度に比類のない4.9兆ドルを集めたが、6.27兆ドルを費やした。容赦ない赤字歳出により、米国の納税者一人ひとりが、すでに24万7000ドルに迫る借金をしているので、2032年までに、利子だけで1兆2000億ドルの債務を背負うことになる。
さらに、政府の浪費が社会保障に及ぼす影響も間近に迫っている。議会予算局によると、社会保障のプログラム、基礎的信託基金は、2033年までに空になる予定であり、数千万人の高齢者の毎月の給付金を強制的に削減せざるを得なくなる。
マッカーシー氏は、民主党の乱脈支出に断固として立ち向かうことを余儀なくされている。赤字を減少させるための支出削減をしようと思えば、同時に債務上限の引き上げも実行しなければならない。