武漢研究所流出の可能性高い-新型コロナ発生源 米CDC前所長証言

(2023年3月11日)

2023年3月8日(水)、ワシントンの国会議事堂で、コロナウイルスのパンデミックに関する下院特別小委員会の公聴会の開始前に、米疾病対策センターの前所長ロバート・レッドフィールド博士(左)とカリフォルニア州選出のアミ・ベラ議員(右)が協議している。(APフォト/J. Scott Applewhite)

By Tom Howell Jr. – The Washington Times – Wednesday, March 8, 2023

 米疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド前所長は、下院の新型コロナウイルス感染拡大特別小委員会で、新型コロナは中国の武漢ウイルス研究所から流出した可能性が高いと証言した。米政府は当初、流出説に否定的だったが、政府内でも流出の可能性の指摘が相次いでいる。

 レッドフィールド氏は感染症の専門家で、トランプ前政権時にCDC所長を務めた。8日の証言で、人から人への感染力が非常に強く、変異が速いなどの「ウイルスそのものの生物学的特徴」と、2019年秋に武漢で新型コロナの脅威を軽視する「特異な行動」が見られたことなどをその理由として挙げた。

 ウェンストラップ委員長(共和)は、「新型コロナは感染力が非常に強く、このような特徴は他のウイルスでは見られない」と、人為的に手が加えられた可能性を示唆、その上で、他のウイルスの感染拡大を防止し、国家の安全を守る上で発生源の解明は欠かせないとの見方を示した。

 特別小委員会の共和党委員らは、新型コロナの発生源を巡る調査が十分に実施されていないと主張、自然発生か、流出かを見極めるための調査を継続することを明確にしている。

 米エネルギー省が、武漢研究所からの流出の可能性が高いとの見方を示したばかり。連邦捜査局(FBI)も流出説を支持しているが、情報機関は依然、発生説を取っている。

 大西洋評議会の上級研究員、ジャミー・メツェル氏は、「状況証拠は増えているが、決定的証拠はない」と述べ、中国政府の協力拒否が発生源の特定の障害となっていることを強調した。

 ヘインズ国家情報長官も、「追加の情報があれば、見通しは変わってくる」と指摘、中国の協力が得られない現状での発生源特定に悲観的な見方を示した。

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