コロナは研究所から2度流出、感染初期の株を解析-米上院報告
By Joseph Clark – The Washington Times – Monday, April 17, 2023
新型コロナウイルスの発生源に関する米上院の報告書が公表され、中国の研究所から別々のタイミングで2度流出した可能性があるとの見方を示した。2月にも米エネルギー省が「中国の研究所」からの流出の可能性を指摘したばかり。
報告は、動物からの感染、研究所からの流出の可能性を比較検討する1年半にわたる調査をまとめたもので、医師のマーシャル上院議員(共和)が17日に公表した。証拠から、感染は2019年10月中旬の研究所関連の事例によって引き起こされた可能性が高いとしている。
報告を作成したのは、新型コロナワクチンの迅速な開発につながった「ワープ・スピード作戦」の陣頭指揮を執ったロバート・カルデック博士。報告は、武漢で広がっていたウイルスの初期の株の分子解析から、「2週間以上離れて二つの流出が発生していた可能性がある」と指摘。「一方の系統は他方より多くの変異があり、流出から長い期間たっていたか、より多くの人を経た可能性がある」と説明している。
これまでの調査では、米国の支援を受けてウイルス研究を行っていた中国の武漢ウイルス研究所からの流出の可能性が指摘されてきた。
マーシャル氏は、武漢ウイルス研究所が19年9月12日にウイルスサンプルのオンラインデータベースを削除したことについて、中国当局が世界に警鐘を鳴らすずっと前に新型コロナの発生を認識していた疑いがあると指摘している。
米エネルギー省は2月、中国の研究所からの流出が原因である可能性が高いと結論付けた。連邦捜査局(FBI)も、「中程度の確度」ながら、発生源は研究所からの流出と結論付けている。
中国は一貫して、流出説を否定し、動物から人間に自然に感染し、武漢の海鮮市場で発生した可能性が高いと主張してきた。
だが、報告書に携わった研究者らは、自然発生説について「中国が提供する情報に依存しており、それは不完全であったり矛盾したりしている」と疑問を呈している。