研究所流出を排除してはならない-コロナ発生源めぐり中国ウイルス学者
By Mike Glenn – The Washington Times – Tuesday, May 30, 2023
中国の有力ウイルス学者が、新型コロナウイルスの発生源として研究所からの流出説を否定すべきでないと主張した。
中国の疾病管理予防センター(CDC)の元所長、ジョージ・ガオ(高福)氏は英BBCに、中国政府が新型コロナの研究所流出説について調査したことを明らかにした。
ガオ氏は「不正行為は見つからなかった」と述べている。
BBCのポッドキャスト「フィーバー―新型コロナの発生源を探る」の最新エピソードでインタビューに答えた。ガオ氏は中国CDCの元責任者として、新型コロナの起源と中国の対応を評価する上で主導的な役割を果たした。
中国政府関係者は、新型コロナが中国武漢の研究所で発生した可能性があるという指摘を否定している。しかし、ガオ氏は可能性はあると考えている。
「いつでも何でも疑うことができる。それが科学だ。何事も排除してはいけない」とBBCに語った。
米国立衛生研究所(NIH)は、科学的根拠から、新型コロナは自然界でウイルスが進化した結果、人へ、あるいは未確認の動物宿主を介して感染した可能性が高いとしている。
NIHは声明で、「将来のパンデミック(世界的大流行)を防ぐために(新型コロナ)の発生源を明らかにすることは不可欠であり、公衆衛生および科学団体は、そのために国際的な努力を続けている」と述べている。
しかし、米エネルギー省が今年発表した報告書では、コロナウイルスを研究している武漢ウイルス研究所からの漏えいが新型コロナの拡大の原因である可能性が最も高いと結論付けている。
しかし、多くの科学者が、パンデミックは武漢の華南海鮮市場から始まった可能性があり、ウイルスは檻の中の動物から買い物客に感染したと主張している。
ガオ氏は、公式調査の結果、研究所は問題なしとされたと考えているという。
ガオ氏はBBCの取材に対し、「調査の結論は、研究所はすべての規則を順守していたということだと思う」と語った。
中国は、このウイルスが中国の他の地域や東南アジアの国々からの食品輸送で武漢に運ばれた可能性を示唆している。
下院情報委員会の委員長であるマイク・ターナー議員は、どちらの説にも直接的な証拠はないと述べている。
ターナー氏は3月に議会で2023年新型コロナ発生源法案が可決された後、「新型コロナのパンデミックは全米に大混乱をもたらし、ほとんどすべての家庭がその影響を感じた。米国民は、このウイルスがどのように作られたのか、具体的には、自然発生なのか、それとも研究室に関連した出来事の結果なのかを含め、パンデミックのあらゆる側面について答えを得る権利がある」と述べていた。
バイデン大統領は20日、同法に署名した。
バイデン氏は「将来のパンデミックをより確実に防ぐために、新型コロナの発生源の真相を解明する必要がある。私の政権は、その情報の機密をできるだけ多く解除して共有する」と述べた。