AI導入模索する情報機関 技術の暴走に懸念も

(2023年7月19日)

ロボットが頭の近くで指を握る。3Dイラストクレジット:Tatiana Shepeleva via Shutterstock.

By Ryan Lovelace – The Washington Times – Friday, July 14, 2023

 米国の情報機関は、将来に備え、分析官やスパイ全員が、伝統的な技術やノウハウに頼るのではなく、人工知能(AI)を生かして職務をこなせるようにする準備を進めている。

 国家情報長官(DNI)室のレイチェル・グランスパン氏によると、情報機関の指導部は「AIファースト」の計画のもとで、幹部から下級職員まで全員がAIを活用できるようにすることを目指している。

 グランスパン氏は14日にメリーランド州で開催された「情報・国家安全保障サミット」で、情報機関が将来、AIを利用して、ハイブリッド戦争演習、シミュレーション、戦略的「レッドチーム」(セキュリティーの脆弱性や対策の有効性を検証するためのチーム)に利用するようになると考えていることを明らかにした。

 「職務や役割、経歴、技術の有無に関係なく、AIを職員一人一人に持たせ、労働力全体の能力を最大化すること。それが私たちの目指すところだ」

 米国の情報機関はまだそこに到達していないが、それに取り組んでいる。中央情報局(CIA)のAIの責任者ラクシュミ・ラマン氏は、CIAはChatGPTのような一般的なツールで使用されている大規模言語モデルが利用できないかを検討していると述べた。

 「われわれは今、探索と実験の段階にいる」

 外国の電子・デジタル情報の傍受を担当する国家安全保障局(NSA)もまた、AIの調査を行っている。NSAのジェイソン・ワン氏は、大規模言語モデルを暗号解読・暗号作成を担うNSA内に導入できないかの調査に「非常に積極的に」取り組んでいると述べた。

 このような話が出ると必ず、AIによってロボットが人間を支配するという悪夢のような事態を招くのではないかという懸念が生じる。このような考えは長い間サイエンスフィクション(SF)の世界だけのものだったが、今では現実味を帯びている。

 ハイテク起業家イーロン・マスク氏は、AIが世界を支配する未来を懸念している。

 マスク氏は今週、xAIと呼ばれるAI企業を立ち上げ、ツイッター・スペースで、米国は破滅的な結果を心配しなければならないと述べた。

 「ターミネーターのような未来を避けるためには、ターミネーターのような未来を心配することが重要だ」

 人気のチャットボットChatGPTを立ち上げたオープンAIは、技術が暴走し、人類を絶滅させることを阻止するために、新しいチームを結成する。

 同社は先週、「人間を超える超知能となる可能性のあるAIを制御し、その暴走を防ぐ」ための解決策を持っていないため、この問題を解決するために技術者と研究者からなる新たなグループを結成すると発表した。

 それでも米国は、超知能を積極的に活用するつもりでいるようだ。

 政府コンサルティング企業ブーズ・アレン・ハミルトンのパトリック・ビルトゲン氏はこの会議で、CIA、NSA、DNIのAIの責任者らに対して、この新技術はまず、すべての情報機関職員のためのAIアシスタントというかたちで実現されるだろうと語った。

 米政府機関と提携する企業でAIを担当するビルトゲン氏は、人気のスーパーヒーロー「アイアンマン」でAIキャラクターのJARVIS(ジャービス)がトニー・スタークを支援するのと同じように、スパイがAIを利用することを想定していると述べた。

 「トニー・スタークにとってのジャービスともいうべきアナリスト・アシスタントが、情報機関で広く使われる最初のアプリになる可能性が最も高いと思う。『ジャービス、セレクターに行って、必要なフォーマットにしておいて。私はこっちのモニターで別のことをやっているから』。こんな感じだ」

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