武漢ウイルス研究所への助成を10年間禁止―米政府

(2023年9月22日)

2021年2月3日水曜日、中国湖北省の武漢で、世界保健機関(WHO)チームの訪問中、武漢ウイルス学研究所の入り口付近に集まる警備員。コロナウイルス流行の起源を調査しているWHOチームは、省内の2つの疾病管理センターを訪問した。(AP Photo/Ng Han Guan)

By Stephen Dinan – The Washington Times – Wednesday, September 20, 2023

 米政府は中国の武漢ウイルス研究所(WIV)に罰則を科し、厚生省からの助成を10年間、禁止する措置を講じた。

 WIVは新型コロナウイルスの発生源の可能性が指摘され、米国からの公的支援を使って危険な研究を行っていたことが明らかになっている。

 厚生省はこの点についてWIVに説明を求めていたが、反応がなかったため、19日、この処分を決定した。期間は通常の3倍以上となる。

 共和党議員らは、禁止措置は時間の問題だったと指摘した。

 「新型コロナウイルス・パンデミックに関する下院特別小委員会」のブラッド・ウェンストラップ委員長は、「危険な機能獲得研究を不十分な安全対策のもとで何年も行ってきたのだから、米国からの税金の投入を断ち切ることは必要不可欠であり、正しい方向への明白な一歩だ」と述べた。

 ウェンラップ氏は、新型コロナが発生する前から米当局は危険な研究が行われていることを知っていたにもかかわらず、適切な措置を取らなかったと述べた。

 新型コロナは2019年に中国から発生したと考えられているが、その発生源は分かっていない。

 発生源を巡って二つの有力な説がある。動物がウイルスに自然に感染したことで出現したという説と、米国の公的支援を使ってコロナウイルスの研究を行っていたWIVから流出したという説だ。

 厚生省の助成金の条件では、ウイルスに関する研究について一定の水準を決めているが、米当局は、WIVはこの一線を越えた可能性があると結論づけた。

 米国の資格停止通告書には「WIVが助成金の条件に従ってこの違反に関する情報を認めない、あるいは米国に提供しないことが、事態の悪化を招いた」と記されている。

 助成の条件に違反した場合の標準的な罰則は3年間の資格停止だが、厚生省は今回のケースは10年間の資格停止に値すると指摘している。

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