NATOのシェンゲン協定軍事版にロシア反発

(2023年11月28日)

2023年11月21日火曜日、ロシア・モスクワのクレムリンで、ロシアのプーチン大統領とタジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領の会談に臨むクレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官。(アレクサンダー・カザコフ、スプートニク、クレムリン・プール・フォト via AP)

By Mike Glenn – The Washington Times – Monday, November 27, 2023

 北大西洋条約機構(NATO)の補給部門幹部が、将来の脅威に備えるため、欧州内の国境を越えて兵力、武器、物資を迅速に移動させることを提案した。これにロシアは強く反発している。

 ドイツ陸軍のアレクサンダー・ソルフランク中将は23日、国境の検問所を通らずに移動できる欧州連合(EU)のシェンゲン協定の軍事版のようなものを設けたいと述べた。ソルフランク氏は、欧州全域での部隊移動が手続きによって妨げられ、将来ロシアと衝突した際に対応が遅れる可能性があると懸念を表明した。

 NATO統合支援軍の司令官であるソルフランク氏は、NATOが東に拡大するなか、補給部門は冷戦時代のままだと指摘した。

 ソルフランク氏はロイター通信に「広大な空間、すべての部隊が前方に拠点を置いているわけではないという事実、これらすべてが、同盟が部隊を基地から東側面の適切な場所に迅速に移動させなければならないことを意味する。われわれには時間がない。平時にやっておかなければ、危機や戦争が起きたときに間に合わない」と述べた。

 ロシア政府報道官は、このようなNATOの勢力拡大は報復措置を招くと反発した。

 ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は24日の記者会見で、「NATOは絶えず国境近くにインフラを移動させている。私たちはNATOのインフラに向かって移動させていない。私たちに向かって移動しているのはNATOだ。これは懸念を引き起こし、安全保障を確保するための対抗措置を促すものだ」と述べた。

 ペスコフ氏はロシアの国営タス通信で、NATOは常にモスクワを「想定上の」敵とみなしてきたと述べた。

 「今、NATOはわが国を明白な敵とみなしている。これは欧州の緊張をあおる以外の何ものでもない」

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