地方選で外国人投票導入 不法移民が登録の可能性も
By Stephen Dinan – The Washington Times – Monday, January 1, 2024
米国の首都、コロンビア特別区(ワシントンDC)は、外国人投票という全米最大の実験に向けた準備を進めている。1年近く前から計画され、2024年に行われる最初の選挙で実施される予定だ。
同市によると、昨年12月中旬の時点で3人が有権者登録した。全員が対面での登録だった。今年から外国人にもオンライン登録が始まることで、さらに関心が高まると当局は期待を寄せている。
全米各地の自治体で、不法移民を含む外国人が地方選挙に投票できるようにするための調査が行われている。しかし、ほとんど関心が寄せられていない。
サンフランシスコが2016年に教育委員選挙で外国人の投票を認めたことで話題を呼んだ。
22年は住民約30万人が投票し、このうち外国人はわずか72人だった。
メリーランド州は外国人投票を実施している自治体が最も多いが、いずれも小さな市や村だ。
ワシントンDCに隣接するタコマパークはその元祖といえる都市で、30年にわたって外国人投票を認めている。
タコマパークでは17年に347人の外国人が有権者登録をし、投票したのはその約2割に当たる72人だった。これが市がデータを報告した最後の年だ。現在は、投票日当日に登録した有権者と市政選挙に投票できる16、17歳の有権者と合わせた数字に含まれている。
バーモント州ウィヌースキーでは、22年に外国人投票を導入した。市議会選挙には「全住民」有権者名簿から投票があったが、水道局の起債問題を決める選挙では全住民からの投票は得られなかった。
市事務官のジェニー・ウィリンガム氏によると、有権者名簿に登録するには次の二つの質問に答える必要がある。投票日までに18歳になり、永住または無期限で市内に滞在する住民であることを確約しなければならない。
ウィリンガム氏の推定では、市内に住む約8000人のうち、600人が外国人だという。
「これはわれわれの市の取り組みであり、人々に投票を促したい。投票者数をもっと増やしたい」とウィリンガム氏。「今は61人だが、もっと増えてほしい」
この制度は合法的な移民を想定しているが、投票における他の多くのことと同じく、住民の自己申告に委ねられている。ウィリンガム氏は、申請書類を検証する手立てはなく、資格を有するという投票者の誓いを信用するしかないと話す。
ウィリンガム氏の事務所では、有権者名簿は公文書であり、入国管理局も閲覧可能であることを申請者に警告している。同氏によると、説明会に来たあるグループは、通訳が申請書のその部分を読んで退出したという。
米国における外国人投票の歴史は長い。
19世紀にはエイリアン・サフリッジ(外国人参政権)として知られるものが一般的だった。1900年以前は20以上の州が外国人参政権を認めていた。反移民感情が外国人参政権の縮小をもたらし、1926年のアーカンソー州を最後にこの制度は全州で廃止となった。
それから1世紀近くが経過し、この考え方は再び浸透しつつある。移民の権利擁護派は、外国人も子供を学校に通わせ、税金を納め、サービスを利用しており、そうしたことを決める方法について発言する資格があると主張している。
有権者監視団体「公益法務財団」を運営し、ニューヨークの外国人投票法に異議を唱えるJ・クリスチャン・アダムス氏は、低投票率は一時的なもので、賛成派はこの制度を正当化するために有権者登録を軽視していると話している。