リークされた与野党の国境政策に保守派が猛反発

(2024年1月20日)

2023年10月19日、テキサス州イーグルパスで、リオ・グランデ川を渡りメキシコから米国に入国した移民が、米国税関国境警備隊の手続きを待つ。共和党のグレッグ・アボット州知事が積極的に進めている移民流入抑制策の中心となっているテキサス州との国境の街、イーグル・パスの市長は2024年1月11日木曜日、州警察がリオ・グランデ川沿いの大きな公共公園を許可も得ずに閉鎖したとして、州を新たなエスカレーションで非難した。(AP Photo/Eric Gay, File)

By Ramsey Touchberry and Stephen Dinan – The Washington Times – Saturday, January 13, 2024

 米上院で交渉中の移民政策で、不法入国者の即座の就労を認め、政府は追放権の発動まで1日最大5000人の不法移民を受け入れるという情報がリークされ、保守活動家たちが反発している。

 交渉担当者たちは数週間に及ぶ協議の間、情報を固く守ってきたが、「移民アカウンタビリティー・プロジェクト」のローズマリー・ジェンクス政府関係部長は、交渉に詳しい複数の人物から説明を受け、オンラインで詳細を共有していると述べた。

 ジェンクス氏によると、現在の枠組みには、バイデン大統領の優先事項である移民裁判所で困難にぶつかる不法移民の子供に政府資金で弁護士をつける権利と、合法的移民の拡大が含まれているという。それと引き換えに共和党は、亡命申請に対する新たな制限と迅速な強制送還の権限拡大を勝ち取った。だが、国土安全保障省が不法移民を直接米国内に「仮釈放」する権限に新たな大きな制限は加えない。

 ジェンクス氏は、こうした方針に基づく政策が、国境を越えて押し寄せる前例のない数の不法移民を減少させることはほぼ不可能だろうと述べた。

 「増えなければラッキーだと思う」。ジェンクス氏はワシントン・タイムズ紙にこう語った。「私が見聞きした中にキャッチ・アンド・リリース(拘束した不法入国者をすぐに釈放すること)を止めるものは一つも見当たらない」

 同氏が出した法案内容は保守派に火を付け、活動家たちは共和党に協議から手を引くよう一致して求めている。活動家たちの主な標的は、共和党の交渉責任者を務めるジェームズ・ランクフォード上院議員(オクラホマ州選出)だ。

 同上院議員はワシントン・タイムズ紙に寄せた声明で、忍耐を求めた。この政策を批判する人々はその概要を見ていないと主張した。

 「起草中の法案には、国境警備法の抜本的改革が含まれている。見てもいないものに対して意見する前に、法案が公表されてからそれを読むことを勧める」と語った。

 同議員は、協議で直面する障害について説明した。

 「不法移民の大量流入を阻止し、国境における法執行機関に新たな効果的な権限を設けることが、バイデン・ホワイトハウスと民主党主導の上院を変えるためにわれわれが戦っている優先事項だ。彼らは南西国境の危機を認めることさえ拒否している」と述べた。

 国境警備は、ウクライナによるロシアとの戦争とイスラエルによるハマスとの戦争に資金を提供する1100億㌦の国家安全保障支出法案の要となっている。共和党は、有権者に対し米国境の安全を保証できない限り、ウクライナの国境防衛に支出はできないとしている。

 ホワイトハウスは国境の混乱を認めているものの、そのアプローチを大きく変えることには抵抗している。当局者は、移民は世界的な問題であり、米国のシステムを見直すことが唯一の答えだと主張している。

 またホワイトハウスは、不法移民がすぐに合法的に就労できないために米国社会を圧迫していると主張。亡命を申請した者が労働許可を得るには180日かかる。

 ジェンクス氏は、この計画は逮捕・釈放された移民に労働許可を前倒しで認めるものだと指摘した。

 同氏は、オバマ元政権時代のジェー・ジョンソン国土安全保障長官が1日1000人の不法移民がシステムを圧迫していると発言したことを挙げ、5000人という追放権の発動条件を非難した。

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