マスク氏のスターリンクを狙うロシアの対衛星核兵器の脅威

(2024年3月3日)

By Ben Wolfgang – The Washington Times – Wednesday, February 21, 2024

 イーロン・マスク氏の企業が運営する衛星通信サービス「スターリンク」は、ロシアのウクライナ侵攻を遅らせる上で極めて重要な役割を果たし、2022年初頭にウクライナ政府を完全崩壊から救うのに貢献した。

 まさにこれらの衛星が、競争を公平にして優位性を無力化しようとするロシア政府の決意を固くした可能性がある。

 ロシアが対衛星核兵器を軌道に投入する可能性があるとの報道は、米当局で大騒ぎになっている。ロシア・ウクライナ戦争が現代の戦闘における衛星の根本的な重要性と敵による衛星の無力化が極めて困難であることを示している。

 宇宙空間で衛星攻撃兵器(ASAT)を使用することは理論上、ウクライナによるスターリンクシステムへのアクセスを遮断するロシアの解決策となり得る。アナリストたちは、そのような言語に絶する危険な動きは地球全体を不安定にしかねないと指摘する。

 一連の衛星は強靭(きょうじん)であることが証明され、戦争初期の重要な数カ月間、ウクライナのインターネットと通信アクセスの維持に寄与した。このアクセスのおかげでウクライナ軍はロシアによる空襲をかわし、ロシアの陣地を攻撃することができ、ウクライナ側の驚異的な戦果と、ロシア軍の一連の惨めな後退につながった。

 ロシア軍はウクライナによるスターリンクへのアクセスを妨害しようと繰り返し試みてきたが、アナリストらによるとほとんど成功していないという。マスク氏の衛星の構成とその位置(他の衛星に比べて地球に近い)により、従来の地球から発射する兵器で破壊するのは困難だ。

 ウクライナは、マスク氏の強力なスターリンク衛星端末の重要性を秘密にしていない。ただ、シリコンバレーの億万長者であるマスク氏はその技術が戦争に使われることに懸念を抱いていると伝えられている。

 まだはっきりしていない米情報機関の分析が正確であることが証明されれば、ロシアのプーチン大統領は、最新鋭のASATの使用を将来の紛争でスターリンクや他の同様のシステムを排除する唯一の確実な方法と捉えている可能性がある。

 米議会とホワイトハウスは、ロシアの宇宙核兵器の可能性を巡る情報機関の懸念が今月リークされたことを受けて対応に追われた。一方のプーチン氏は、そのような計画について否定に同意せざるを得ないと考えた。

 大まかに言って、対衛星兵器の脅威は何十年にもわたり、誰の目にも明らかな形で着実に近づいてきている。

 「ソ連のASAT能力は、現在もある程度米軍の能力を脅かしており、将来的にはさらに大きな脅威になる可能性がある」。米議会の「技術評価室」の専門家たちは、ソ連がどのようにASATを使って米国の軍事、経済、金融システム、社会全体に大混乱をもたらそうとしているかを調査した報告書の中でこう指摘した。この報告書は1985年、レーガン大統領1期目に発表された。

 安全保障分野の専門家たちの間では、危険な潮流が形になりつつあるとの懸念が高まっている。人々がテクノロジーに依存するにつれ、このような攻撃は人類史上かつてないほど甚大な被害をもたらすだろう。同時に、米国の敵対勢力がこれまでにない動機でそれを実行する可能性がある。スターリンクを破壊できないことへのロシアの不満がこれをはっきり裏付けている。

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