移民問題がトランプ氏に追い風、女性票獲得へ
By Seth McLaughlin – The Washington Times – Wednesday, April 3, 2024
ジョージア州に住む保守派のリア・オルドリッジさんは、共和党の大統領予備選でニッキ・ヘイリー氏を支持し、ドナルド・トランプ前大統領を取り巻く政治的サーカスにうんざりしている。
オルドリッジさんはワシントン・タイムズに、バイデン大統領の国境政策に不安を感じているため、11月の大統領選でおそらくトランプ氏に3度目の票を投じることになると語った。
「最終的には、南部国境の問題が誰に投票するかの決め手になると思う。両候補間にはこの点で決定的な違いがある」
オルドリッジさんは、新しいグループ「国境のママ」(「セーフティー・ママ」と呼ぶ人もいる)の一員だ。このグループは犯罪や国境での混乱への懸念から、トランプ陣営を支持しており、大統領選の行方を複雑なものにしている。
トランプ陣営は長い間、主要支持層の男女間格差という問題を抱えてきたが、2020年のバイデン氏との対決でその差は縮まった。女性有権者の間でトランプ氏の支持率がさらに上昇すれば、バイデン氏の再選はいっそう難しくなる。
今年、ジョージア大学の看護学生レイケン・ライリーさん(22)が学内で殺害された事件で、国境のママの不安は一気に高まった。バイデン政権が国境で拘束し、解放した不法移民の犯行だったからだ。
ニューヨーク市での暴徒による警官殴打事件、ルイジアナ州とマサチューセッツ州でのレイプ事件、メリーランド州での2歳児射殺事件、ミシガン州での女性殺害事件はすべて、バイデン政権下で緩和された移民政策の恩恵を受けていた不法移民によるものだった。
国境のママが特に心配しているのはフェンタニルだ。フェンタニルは致死性のある鎮痛薬で、メキシコの密輸カルテルのせいで米国で大量に流通している。これらのカルテルは、不法移民も影響下に置いている。
「私の子供で、あなたの子供でもありうる。あちこちで発生し、私たちのコミュニティーでも起きている」
ノースカロライナ州を拠点とする共和党の世論調査員、ポール・シュメイカー氏によると、民主党はこの問題で、都市郊外に住む女性の票を失っている。
「ジョー・バイデンは移民問題で大きな問題を抱えている。この問題は、これらの女性が住む都市部郊外の家庭では安全の問題と捉えられているからだ。彼女たちはフェンタニルを移民問題、ドラッグの過剰摂取と結びつけて考えている」
「国境問題は再選を目指す大統領にとって最大の問題だ」
バイデン陣営からコメントは得られなかった。
この問題でしっかりした足がかりを見いだそうと躍起になっている民主党は、トランプ氏がすべての移民を悪者扱いしていると非難した。トランプ氏は今週ミシガン州で、暴力的な不法移民を「動物」「人間ではない」と表現した。
共和党はすぐに、トランプ氏がここで言ったのは、ジョージア州でライリーさんを殺害した罪に問われている不法移民のことだと指摘した。
共和党の選挙参謀スコット・ジェニングス氏はCNNで、「もし誰かが人を殺したら、動物と呼ばれるに値すると思う。米国民なら誰も、このような発言を拒否しないと思う。あのかわいそうな少女は無残に殺された。その犯人は動物ではないのか。それは適切な表現だと思う」と述べた。
民主党は、不法移民問題に対して、中絶の権利をアピールして対抗したいと考えている。
最新のエコノミスト/ユーガブ世論調査によると、女性有権者の13%が移民問題を、11%が中絶問題を最重要課題として挙げている。インフレが24%でトップだった。
この世論調査では、女性有権者の10人に6人以上がバイデン氏の移民問題への対応に否定的だった。
他の世論調査でも似た結果が出ている。有権者全般が移民問題を最重要視し、バイデン氏の国境政策に否定的見方を示している。
この不支持は主に共和党支持者によるもので、バイデン氏にかなりひどい評価を与えている。民主党支持者の間でさえ、より厳しい解決策を求める声が高まっている。
トランプ陣営は、これらの数字をトランプ氏への反感を克服する大きなチャンスとみている。
トランプ陣営の世論調査員、ジョン・マクラフリン氏は「『セーフティ・ママ』と呼ばれる新しい有権者層ができている。ドナルド・トランプは強い候補者だと考え、トランプが、私が安全を守ると言えば、そのごとく信じる。一方、ジョー・バイデンの弱々しさを見て、不安になっている」と述べた。
「セーフティー・ママの多くが、トランプのツイートは好きではないかもしれないし、彼の集会や演説を見るのも好きではないかもしれないが、自身とその家族がより安全に感じられるようにするため、トランプ氏にホワイトハウスに戻ってほしいと思っている」