ポンペオ氏、台湾の独立承認を要求 民主主義の価値観を擁護
(2024年5月24日)
By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, May 22, 2024マイク・ポンペオ前米国務長官は21日、米国と国際社会に対し、台湾を独立国家として承認するよう呼びかけた。
トランプ前政権で米外交官のトップを務めたポンペオ氏は、台湾でのスピーチで「今こそ米国は大胆に、公正に行動し、台湾を独立した主権国家として認めるべきだ」と述べた。
「これは単なる外交的ジェスチャーではなく、現実の認識した上での正義であり、世界の安定に向けた前進だ」
ポンペオ氏は、米国と中国の関係の基礎となる三つの共同コミュニケが1970年代後半に初めて策定されて以来、米中間の状況は、変化してきたと述べた。
主な問題は、誰が中国を代表するかということだ。中国は、中国本土が全中国の唯一の正当な代表と主張してきた。
しかし、ポンペオ氏は、台湾はすでに、中国のそのような主張を相手にはしておらず、1990年代後半から国民に圧倒的に支持されている独自のアイデンティティーを築いてきたと主張した。
台湾国民党は1949年、共産党との内戦で大陸から脱出し、台湾へと渡った。
現在、台湾人の大多数は自国を、中国ではなく台湾として認識しているとポンペオ氏は指摘。「つまり、米国が台湾を承認するよう要求することは、このような現実を確認することへの要求だ」と述べた。
「台湾は民主的に統治されている。領土を管理し、国際貿易を行い、さらに重要なことは、中華人民共和国とは別個の存在であるということだ。台湾の領土は、どれも中華人民共和国の主権や行政の支配下にない。それを否定することは、誤解を招くだけでなく、目の前の事実に反している」
ポンペオ氏は台湾を訪れ、20日に独立派の民進党の頼清徳新総統就任式に出席した。
台北で開かれたボランティア団体「福和会」の会合で演説したポンペオ氏は、中国は何十年もの間、三つのコミュニケを基に、米国が台湾は中国の一部という立場を取っていると主張してきたが、それは間違いだと指摘。米国はコミュニケによって、台湾は中国の一部との見方を受け入れたわけではないとの見方を示した。
「意図的に曖昧にすることは、これまで戦略的な緩衝材として機能していたが、今では中国の台湾に対する攻撃的な姿勢を助長し、国際社会をミスリードしている」
ポンペオ氏は、米国の戦略的曖昧政策の目的は果たされてきたが、完全な外交的承認に切り替えるべきだと述べた。
台湾の体制は、民主的に選ばれた政府からなるが、中国はこれとは対照的に共産党が支配し、政府の同意が政治に反映されることはない。
また、台湾を独立国家として承認することは、人民主権、民主主義、国際法の支持といった米国の建国の原則に合致する。
米国が公式に台湾を承認することは、1979年に米国が交渉によって中国を承認し、台湾を非承認とした歴史的なミスを正すことになる、とポンペオ氏は述べた。
台湾が承認されれば、中国式共産主義の脅威にさらされている台湾の民主主義的価値観を支援することになる。
ポンペオ氏は、「台湾承認は、民主主義と国際法に対する米国のコミットメントを確認し、現状を力で変更しようとする一方的な試みに台湾が抵抗するための、より強力な基盤を提供する」と述べた。
「台湾を承認することは単なる政策的な調整ではなく、道徳的な要請であり、戦略的な必要性であり、真の主権国家を定義する民主的なプロセスの正当性を認めることだ」
ポンペオ氏はまた、中国が侵攻しないように台湾を守ることは、米国にとって「喫緊の課題」と述べた。
「これは単なる選択ではなく、法的、道徳的、戦略的、経済的な基盤に根ざした必須事項だ」
バイデン大統領は、中国が台湾に対して軍事行動を起こした場合、米軍は台湾を防衛すると何度か発言している。
台湾防衛に失敗すれば、世界中の同盟国を支援する米国の信頼性は損なわれ、この地域で大規模な核軍拡競争が始まる可能性が高いとポンペオ氏は述べた。
「台湾を守ることは、単に小さな島の民主主義を守ることだけでなく、戦略的に重要な境界線を守ること、国際法を守ること、経済的利益を守ること、そして世界の平和と安定を維持することだ」