反ユダヤ主義への懸念高まる―米ギャラップ
By Sean Salai – The Washington Times – Monday, July 1, 2024
反ユダヤ主義の懸念は20年前から高まってきており、ユダヤ系米国人によると、嫌がらせは過去1年間で増加した―7月1日に発表された2つのギャラップ世論調査が明らかにした。
ギャラップ世論調査では、最近の調査に回答した成人の81%が、反ユダヤ主義を「非常に」または「やや」深刻な問題とみなしていることが分かった。2003年の57%から上昇した。
内訳を見ると、反ユダヤ主義の偏見を「非常に深刻」と表現した人々の9%から49%へと急増した。一方でやや深刻とみる人々の割合は少数派に急落した。
ギャラップによると、この質問をしたのは2003年が最後で、以来、いくつかの反ユダヤ的事件が起きている。この年、民主党の故ジョセフ・リーバーマン上院議員は大統領選の選挙戦で、主要政党の最初のユダヤ人候補になった。
ギャラップの上級編集者であるジェフリー・ジョーンズ氏は、「近年、ユダヤ系米国人を標的にした多くの犯罪やレトリックが、反ユダヤ主義に関する国民の懸念と議論を引き起こしている」と調査結果の要約に書いた。
ジョーンズ氏は、2018年のピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)と2019年のカリフォルニア州ポーウェイのシナゴーグの銃撃を指摘した。
彼はまた、イスラム過激派グループのハマスが昨年10月7日にイスラエルを攻撃して以来、大学のキャンパスや集会での反ユダヤ主義事件の急増を示す「反中傷連盟(ADL)」の報告書を引用した。ガザで進行中のハマスに対する軍事報復作戦でイスラエルは、何万人ものパレスチナの民間人や戦闘員を殺害した。
世論調査では、反ユダヤ主義について49%が「非常に深刻」とみているのに対して、イスラム教徒に対する偏見を「非常に深刻な」問題とみなしているのはわずか33%だった。
それにもかかわらず、合計74%は反イスラム教徒の偏見を「やや」もしくは「非常に」深刻と回答し、反ユダヤ主義の81%に近かった。
ギャラップは、ほとんどの共和党の回答者と50歳以上の成人が反ユダヤ主義を非常に深刻と見ていると指摘した。比較すると、民主党支持者と若者の半数未満が同じように感じており、反ユダヤ主義よりも反イスラム教徒の偏見に懸念を表明している民主党支持者がわずかに多い。
1日に発表された2回目のギャラップ世論調査では、ユダヤ人成人の46%が、過去1年間でより多くの宗教的嫌がらせや虐待を経験したと報告した。それは他の宗教団体よりも多い。比較すると、全成人の10%がそのような扱いを受けたと答えた。
加えて、ユダヤ人の60%は、他の宗教団体の半数未満、すべての成人の25%と比較して、嫌がらせを受けることを恐れて彼らの信仰を他人と共有することに消極的であることを表明した。調査された他のグループにはプロテスタント、カトリック教徒、モルモン教徒が含まれていたが、イスラム教徒は含まれていなかった。
ギャラップは5月1日から23日、1024人の成人と宗教的偏見に関する無作為な全国電話インタビューを行い、5月1日から15日に回答者4万6933人に個人的な経験に関するウェブ調査を実施した。
誤差の範囲は、電話調査ではプラス・マイナス4%ポイント、ウェブ調査では1%ポイントで、ユダヤ人成人の加重サンプルではプラス・マイナス3%ポイントだった。