トランプ政権発足、世界は反中国で結束を 中立という幻想
By Miles Yu – Tuesday, January 21, 2025 ハドソン研究所中国センター所長マイルズ・ユー
バイデン体制の空虚な時代が終わり、トランプ列車が今週、うなりを上げながらワシントンに進入した。これほどまでの活気と勝利の凱歌とともにホワイトハウス入りしたのは、1829年のアンドリュー・ジャクソン以来だ。ジャクソンは1824年にジョン・クインシー・アダムズに敗れ、選挙が盗まれたと訴えていたが、4年後、決定的な勝利を収め、ホワイトハウスに返り咲いた。
第7代大統領ジャクソンは、米国民主主義の黄金時代(ジャクソニアン・デモクラシーとして知られる)の到来を告げる変革期の国家指導者となった。歴史にその名を残すフランス人知識人アレクシス・ド・トクビルは、この期間を民主主義の理想が実現した時代と称賛した。
同様に、第45代、47代大統領のドナルド・トランプ氏は、変革を起こし、結果を出す指導者であることを自ら証明した。しかし、この2期目に、1期目の遺産がさらに強化されるか、失われるかは、米国民主主義にとって唯一で、最大の脅威である中国共産党を打ち負かすことができるかどうかに大きくかかっている。「建国の父」から受け継ぎ、アンドリュー・ジャクソンによって拡大されたこの民主主義は今、脅威にさらされている。この脅威にトランプ氏がどれほどの決意で臨むかが今後の重要な課題となる。
中国共産党に対するこの勝利プランで重要なのは、世界に広がる中立という誤った幻想、特に米中間で公平な立場を取り続けることができるという考えを終わらせることだ。幸いなことに、パナマ運河(現在は中国の権益の下にある)の管理権を返還するようパナマに要求したり、中国が欲しがる戦略的要衝、グリーンランドの獲得を求めたりしていることから、トランプ氏が地政学的な日和見主義に対抗する決意を固めていることが見て取れる。世界が米中間で中立でありうるという考えを終わらせるべきだと考えるのには深い根拠があり、それは重要で、自由主義国家の将来にとって不可欠だ。
第1に、中立とは要するに共謀の一形態となる。国家が「中立」であり続けることができるという主張は、中立が本質的に対立する両側のどちらか(多くの場合、間違った側)に付くことになるという根本的な現実を見落としている。この文脈で見れば、欠点はあるにせよ自由民主主義の価値観を代表する米国の側に立たないことは、中国の権威主義的野心を強めるだけである。
中国は曖昧さを武器に、小国間の分裂を利用し、特に東南アジアやアフリカなどの地域で影響力を行使している。中立的なスタンスは、人権侵害や南シナ海での軍事的拡大、国際規範を損なうなどの中国の行動に対する黙認を示すことになり、中国をいっそう勢いづかせる。
第2に、中立は現実主義的に見えることがよくある。中立擁護派は、非同盟によって地政学的に分断された両側から利益を引き出すことができると主張する。しかし、この主張は中国への過度の依存の危険性を軽視している。かつては中立を維持していた多くの国々が、現在では自国の利益のために米国との関係を再構築している。これらの国々は、中国の要求に屈服することの長期的なリスクを認識している。
第3に、中立支持者はしばしば、外国製品や投資にとっての中国市場の抗いがたいほどの魅力に言及する。しかし、これは神話であり、危険だ。中国市場は長い間、未開発の金鉱のように描かれてきたが、現実はそれほど明るくない。中国市場は規制が厳しく、厳しいライセンス要件、強制的な技術移転、外国企業に不利な不透明な法制度など、数多くの参入障壁がある。
中国での個人消費は著しく減少しており、中国の消費者が買い物をする場合、国産品、特に国産の技術や消費財を好む傾向が強まっているため、外国企業の競争力は低下している。さらに、政府の政策は補助金や保護主義的措置を通じて国内産業を優遇することが多く、外国投資の収益性を損ねている。知的財産の窃取は後を絶たず、外資系企業の長期的な存続可能性をさらに損なっている。これらの要因から、中国市場は推進派が主張するほど、融和的でもなく、収益性も乏しいという厳しい図式が浮かび上がってくる。
これとは対照的に、米経済は力強い回復を遂げた。その主な理由は、民間の起業家精神、財産権、自由な市場競争といった制度上の強さだ。中国が大規模な不動産の暴落、株式市場の急落、対外貿易の減少といった経済的後退に対処している一方で、米経済は繁栄を続けている。日本、ドイツ、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国、台湾など、世界の主要国の貿易相手国として、米国は中国を抜いてトップに立っており、この傾向はさらに強まっている。中国の将来に対する盲目的な楽観主義は見当違いであり、最終的には自殺行為となる。
第4に、中立は国家の安全保障と主権を危険にさらす。南シナ海への侵入や台湾への強圧的な戦術など、中国の攻撃的な行動は、他国の主権をあからさまに無視していることを浮き彫りにしている。中立的な国、中でも東南アジア諸国など中国に近い国々は、中国の拡張主義的アジェンダの手先になる危険性がある。これらの国々は、どちらかの立場を取らないことでかえって脆弱性が露わになり、さらなる侵略や領土侵犯を招く可能性がある。
最後に、戦略的、経済的な課題を超えた道徳的な視点がある。
米国はその歴史に問題を抱えてはいるが、自由、民主主義、人権の理想を追求してきた。対照的に、中国は、ウイグル族の虐待から言論の自由の抑圧、市民への権威主義的支配に至るまで、体制として国民を抑圧してきた。このイデオロギー闘争に中立を保つことは、道徳的に見て正当化できず、自由な社会を支える基本的価値観に無関心であることを示すことになる。
世界は中立という幻想を捨てなければならない。今後、米国はトランプ大統領のリーダーシップの下、中国共産党に対抗する世界的な支持を結集し、民主主義、自由、人権を擁護する勢力に寄り添わなければならない。今こそトランプ列車に乗り込み、これらの価値観へのアンチテーゼを体現する体制との連携という偽りの約束を拒否する時だ。そうすることによってのみ、建国の父たちによって受け継がれ、アンドリュー・ジャクソンのような人物によって拡大された民主主義の遺産を守ることができる。