エネルギーコスト高騰で「グリーン」政策に反発

(2025年3月8日)

2018年7月27日、ウィオ州グレンロックにて、朝日を背にシルエットを描く石炭火力発電所。ジョー・バイデン大統領は、自身のレガシー(遺産)を確保するため、石炭火力発電所に対して煙突からの排出ガスを捕捉するか閉鎖するかのいずれかを迫る画期的な規制を含む、環境問題やその他のトピックに関する選挙期間中の規則を次々と発表した。(AP Photo/J. David Ake, File)

By Susan Ferrechio – The Washington Times – Friday, February 28, 2025

 エネルギー料金の急激な上昇により、民主党主導の州では、再生可能エネルギー政策の効果に疑問を持つ消費者が増えている。これらの政策は、より安価で安定した電力供給を実現するには至っていない。

 ニュージャージー州、メリーランド州、マサチューセッツ州をはじめとする各州での料金の高騰により、消費者の不満が爆発した。政府指導者は、選挙で有権者の支持を失うことを恐れ、対策に追われている。

 マサチューセッツ財政同盟のポール・クレイニー事務局長は、「突然、人々が目を覚ましたかのようだ。時がたつにつれ、責任は選挙で選ばれた指導者たちにあることが明確になるだろう」と語った。

 マサチューセッツ州の民主党は、2050年までに温室効果ガスの排出を完全になくすことを目標としている。その一環として、住民に天然ガスから電熱への切り替えを促すプログラムを推進しているが、これにより多くの家庭の電気料金が2倍以上に跳ね上がった。

 同州で約102平方メートルの平屋に住むスコット・オドネル氏は、暖房の設定温度を約20度に抑えて使用していたにもかかわらず、電気料金がほぼ倍増したという。

 2月の請求額は685ドルで、その内訳は、暖房代290ドル、そして送電料395ドルだ。後者には、電気暖房への切り替えを奨励する「マス・セーブ」というプログラムを支えるための新たな追加料金が含まれている。このプログラムは住民に補助金を提供するが、そのコストはすべて電気料金に上乗せされている。

 民主党のヒーリー州知事は最近、マス・セーブの予算を25%増額し、州内の化石燃料を使用する暖房の完全撤廃を最優先課題としている。

 電力会社は、拡充されたマス・セーブの資金を確保するために料金を引き上げたが、それ以前から同州の電気料金は全米で最も高い水準にあった。

 また、同州は天然ガスパイプラインや化石燃料、原子力発電所の新設を拒否した。代わりに、カナダやノルウェーなどの国々から高額な液化天然ガス(LNG)を輸入している。

 オドネル氏をはじめとする州のエネルギー政策に批判的な人々は、ヒーリー知事が天然ガスパイプラインの建設を阻止し、マス・セーブを推進したことが、現在の高騰を招いたと非難している。

 州のエネルギー供給の約3分の1は、主に太陽光発電などの再生可能エネルギーによるものだ。昨年5月に大規模な天然ガス発電所が閉鎖され、現在進行中のエネルギー開発プロジェクトはすべて再生可能エネルギー関連のものである。しかし、これらの発電源は天候に左右され、ニューイングランドの厳しい冬には発電量が大幅に低下する。

 ヒーリー知事の報道官はワシントン・タイムズの取材に応じなかったが、地元テレビのインタビューでは、料金の高騰は州の責任ではないと主張し、公益事業局に対し「電気料金の見直しと、州として可能な限りの対策を講じる」よう指示したと述べた。

 公益事業局は、3月と4月に電気料金を少なくとも5%引き下げるよう電力会社に命じた。これにより、消費者は平均で15ドル程度の節約ができる見込みだ。

 ヒーリー氏と他の州政府高官は、電力網から化石燃料を排除することで空気がきれいになり、悪天候の原因となっている気候変動の影響が軽減されると述べている。

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