核軍拡競争における米国の影響力不足

2024年6月12日水曜日、ロシア国防省報道部が公開したビデオから撮影されたこの写真では、戦術核兵器使用の訓練を目的としたロシア軍事訓練の一環として、射撃位置にイスカンデルM短距離弾道ミサイルランチャーを装填するロシア軍兵士。(ロシア国防省報道部 via AP)
By Ben Wolfgang – The Washington Times – Tuesday, April 1, 2025
中国、ロシア、北朝鮮は恐ろしいペースで核兵器を増強し、米国を威嚇しようとしている。その一方で、米国には核兵器の拡大を制限するための軍備管理協定を新たに結ぶ外交的影響力はないに等しい。
これは、元米国核不拡散担当特使のロバート・ジョセフ氏の評価だ。同氏は1日、ワシントン・タイムズ財団が主催したオンラインフォーラム「ワシントン・ブリーフ」で、「冷戦時代の軍備管理の概念は終わった」という現実を米国は認識しなければならないと述べた。
具体的には、ジョセフ氏はフォーラムで、トランプ政権は1992年の戦略兵器削減条約(START)や1987年の中距離核戦力(INF)全廃条約など、過去にロシアとの核不拡散協定を結んだ際に米国が享受していた影響力をほとんど持っていないと主張した。同氏によると、今日の敵対国は核兵器を「ゼロサムゲーム」と見なし、核兵器はより広範な欧州や太平洋の紛争への米国の介入を抑止するために不可欠だと考えている。原則として、敵対国は米国の地政学的または国家安全保障上の目標に何らかの形で役立つと思われる取引に反対する可能性が高いと、ジョセフ氏は述べた。
トランプ大統領が推進する包括的な21世紀のミサイル防衛システム、いわゆる「ゴールデンドーム」は、米国が再び主導権を握るための重要な要素だ。トランプ氏は、このミサイル防衛システムによって、核兵器を搭載した弾道ミサイルや極超音速ミサイルによる米国へのあらゆる攻撃はほぼ失敗するだろうという強いメッセージを敵国に送ることができると語る。
防衛の観点から見ると、ゴールデンドームは米国の長期戦略の中心となりそうだ。しかし外交面では、米国の選択肢は極めて限られているとジョセフ氏は警告する。
ジョセフ氏は、米国とロシアの間の二つの画期的な軍縮協定に言及し「簡単に言えば、われわれはINFとSTARTを交渉していた時のような影響力を持っていない」と指摘した。INFはすでに無効で、STARTも来年には失効予定だ。
ジョセフ氏は「私の意見では、中国や北朝鮮との交渉の見通しはさらに暗い」とし、「両国とも関心がないとはっきり言っている。…もう一度問うが、変化を余儀なくさせる力はどこにあるか?」と強調した。
いずれの国々も近年、大規模な核増強に乗り出している。トランプ政権は「権威主義枢軸」の各国、つまり中国、ロシア、イラン、北朝鮮の核増強を強調する必要があるとジョセフ氏は述べた。
ジョセフ氏は「こうした脅威を個別に考えるのではなく、権威主義的な敵対勢力の集団的脅威として考える必要がある」と主張した。同氏はジョージ・W・ブッシュ政権下で軍備管理・国際安全保障担当国務次官も務めた。
また、「いかなる場合でも必要なのは、独裁主義の枢軸の負の脅威に対処するための革新的なアプローチと新しい手段を考案し実行する想像力と決意だ」と同氏は語った。
中国の核兵器増強には、核と通常兵器のどちらも搭載可能な東風26中距離弾道ミサイルなど多数の兵器が含まれる。また、核搭載可能な爆撃機も製造中だ。ロシアは、核搭載大陸間弾道ミサイル、極超音速ミサイル、核搭載自律型ポセイドン魚雷などを保有している。
北朝鮮は、核保有国となるのを阻止することを目的とした米国の政策が何十年にもわたって続いてきたにもかかわらず、独自の核能力を有している。