米国の大学生の間で言論の自由に対する不安が拡大
By Sean Salai – The Washington Times – Tuesday, January 25, 2022
米国の大学生は、(言論の自由を保障した)憲法修正第1条の原則を重要視しているが、キャンパスでの言論の自由については、さまざまな思想的理由から不安を感じるようになっていることが、25日に公表された調査結果により明らかになった。
ナイト・イプソスの世論調査によると、回答した学生の半数以上(59%)が、大学キャンパスでは、たとえ不快であったり偏ったものであったりしても、「あらゆる種類の言論に触れる」ようにすべきだと回答した。
共和党支持者(71%)と白人回答者(65%)では、この意見に賛成する傾向が無党派層(57%)、民主党支持者(55%)、黒人学生(47%)、ヒスパニック(45%)よりも強く、憲法修正第1条の下で不安を感じると答えた。
非営利団体「ジョン・アンド・ジェームズ・ナイト財団」学習・影響担当部長のエベット・アレキサンダー氏は、今回の世論調査について、大学生が人種的・政治的理由からキャンパスの言論の自由に不安を感じているという2016年以降の傾向を反映していると述べた。
「2016年以降、言論の自由は安全だと思う学生が大幅に減っている。中でも、過去1年間に共和党を支持する学生の間で激減した」。アレクサンダー氏はワシントン・タイムズ紙にこう語った。「また、有色人種の学生が憲法修正第1条によって守られていないと感じていることも確認されている。これは、さまざまなグループが今日、自分たちの言論の権利が脆弱(ぜいじゃく)であると感じていることへの警鐘だ」
この世論調査は、言論の自由と憲法修正第1条に対する大学生の意識に関する20年にわたる調査の最新版だ。
ナイト財団によると、キャンパスにおける議論の最近の傾向として、人種的正義を訴える抗議活動や新型コロナウイルス、2020年大統領選に関連する言論の自由の制約が拡大しているという。
「近年、一部の大学はより保護的な学生の言論環境をつくろうとしたため、この議論は一段と緊迫化している」と、同財団は要約で書いている。「さらに、新型コロナの大流行や人種的正義運動、2020年の選挙など、過去2年間に大きな影響を与えた重要な出来事が、キャンパスや社会全体で起きている言論の自由をめぐる議論により深い側面を加える結果となっている」
コミュニティーやジャーナリズム、芸術への助成を行う非営利団体である同財団は、言論の自由に関する学生の意識について大学当局に「重要なデータ」を提供するために一連の調査を委託したとしている。
ナイト財団のアルベルト・イバルゲン会長は、「大学のキャンパスは、変化、学習、対話の活気ある環境だ」と主張。「もしわれわれが力強い憲法修正第1条を保つには、次世代によって受け入れられなければならない」
調査結果の要約は、「大学生が言論の自由の原則を強く信じていることを裏付け、より広範な米国民の見解に関する最近のナイト財団の調査結果を反映するものだ」としている。
また、米国の成人に同じ調査質問をした1月6日公表のナイト・イプソス世論調査結果も、米国民全体でも同じように政治的・人種的な分断が見られると指摘している。
「ほとんどの米国民は言論の権利をめぐり憲法修正第1条の保護を享受していると感じる一方で、一部のグループは著しく不安を感じている」と、1月6日の要約は指摘。「特に黒人やアフリカ系米国人は、修正第1条の保護を感じないと報告する人が多い」としている。