議会襲撃の被告に公平な裁きを
By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, February 2, 2022
先週末、ドナルド・トランプ前大統領は、大統領として再度選ばれたら、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃で起訴された被告の一部の赦免を検討するつもりだと述べた。彼の発言は、メディア、連邦議会の民主党員、しかも、一部の共和党員からさえも、即刻、批判を引き出した。
「私たちが行うもう一つのこと――そして、大変多くの人が、それについて私に聞いてきているのだが――私が出馬し、勝利したなら、私たちは1月6日事件絡みの人々を公平に扱うことになろう。私たちは彼らを公平に取り扱うつもりだ。そして、赦免の要請があったら、彼らを赦免する。なぜなら、彼らは極めて、不公平に扱われているからだ」とテキサス州コンロー市の集会で語った。
私たちは、トランプ氏の言葉を、米議会議事堂で暴動を起こしたすべての人々に白地小切手を与えると言ったとは解釈しなかった。トランプ氏は、被告らが、手の込んだ、反逆罪をにおわせるような刑事事件で過剰に起訴されたり、不法侵入のような微罪で公判前勾留を受け、つらい状態の中に放置されたりしている1月6日事件の現状に言及した可能性が最も高いと思われる。
1月6日事件は、全般的に、反戦デモ隊が、ワシントンの街路や、米議会議事堂の廊下を埋め尽くした「イラク戦争」以来、最も、政治性の強い追及がなされる空気の中で公判が行われている。
やはり、重要な連邦議会の公聴会に介入し、反戦を訴えて投票を中断させた被告らの多くは、合衆国法典下の連邦犯罪で起訴されることはなかった。彼らは、コロンビア特別区(DC)によって、DC法典には違反するとされ、比較的軽微な軽犯罪で起訴された。多くの事例で、所属事務所が侵入を受けた連邦議会の民主党員は、彼らのデモは、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領に反対するという政治目的を主眼とするものだったので、彼らは反戦抗議者を告発しようとさえしなかった。
1954年3月1日、プエルトリコ国民党の4人のメンバーが1898年の合併に抗議するために、米下院で半自動拳銃で発砲、移民法案の投票を妨害した。銃撃で5人の連邦議会議員が負傷した。4人のメンバー全員が終身刑を宣告されたが、1978年と1979年に、当時のジミー・カーター大統領によって恩赦された。
1970年のニューヨーク市警察管轄下と、1972年のペンタゴンで起きた爆撃事件に関連する他のすべての起訴は取り下げられた。連邦捜査局(FBI)によるかなりの干渉があったとされている。
以上のような事実に照らして、大統領による恩赦および、政府の建物や、役人を標的とした犯罪の起訴に関しては、民主党員やメディアは、自らに都合のいいことだけを覚えていることは明らかである。
1月6日の非武装の被告を、爆弾や弾丸で米議会議事堂にいた無実の人々を、実際に殺害することを狙った政治的テロリストと同じくらいに――あるいはもっとひどい――検察官的熱意で扱うことは、公平性と矛盾するし、倫理的にも受け入れ難い。
私たちは、1月6日の被告の一部が過度に念入りな容疑で、ご都合主義的に起訴されており、彼らの公判前勾留が不公正であるというトランプ氏の考えに同意する。トランプ氏が第47代大統領として復帰したなら、または、バイデン氏が、この件に関して、憲法の第2条に基づく恩赦権を利用して、これらすべての事件を、慎重に再検討し、裁判の平等――そして公平な扱い――を確保することが、唯一、適正な道だと信じる。