ロシアの動物実験への助成停止を-GAO
By Tom Howell Jr. – The Washington Times – Wednesday, March 23, 2022
全体主義国家をめぐる世界的危機と、動物虐待への懸念を受けて議会は、米国の資金援助を受けた国外の研究所での研究を精査し、これらの予算を国内の研究に振り向けるべきかどうかを検討しようとしている。
共和党下院議員らは今月、バイデン政権に、ロシアの国営研究所での猫の脊椎研究への助成金を停止するよう求めた。また、新型コロナウイルスの感染拡大前、中国の武漢ウイルス研究所への助成金がどのように使われていたのかについても依然、疑念を抱いている。
ならず者国家をめぐる懸念と、動物虐待をめぐる懸念は無関係ではない。
政府監査院(GAO)はワシントン・タイムズの取材に対し、米国の税金で動物実験を行っている57カ国、300研究所の活動を調査するよう、議会から要請を受けたことを明らかにした。
GAOによると、米国のような動物愛護に関する厳格な規則がこれらの研究所にはない可能性がある。
GAOは、共和党のマスト下院議員(フロリダ州)、民主党のロイバルアラード下院議員(カリフォルニア州)、そのほか二十数人を超える超党派の議員らから昨年、要請を受け、調査を開始した。
マスト氏の報道官、アンマリー・グラハム氏は、「国立衛生研究所(NIH)が助成している研究、特に動物実験と全体主義国家が関連する研究を精査するよう議員らから強い要請が出ていた。何本も書簡が送られ、法案が提出されており、現在の状況から見て、継続し、強化すべきだと思っている。マスト議員は、予算を、どのように使われるかを納税者に説明しやすい国内の研究にシフトさせる取り組みならば、支援する」と述べた。
新型コロナ危機の発生によって、NIHからの海外への助成に注目が集まっている。共和党議員らは、非営利団体エコヘルス・アライアンスに提供された助成金が、新型コロナが発生した武漢にある武漢ウイルス研究所で何に使用されたのかを依然、疑問視している。
議員らは、米国の支援を受けて行われた研究で、ウイルスの致死性を高める可能性のある機能獲得の実験が行われたのではないかと疑い、これらの研究に関する報告で不正が見つかっていることを指摘している。NIH側は、助成を受けたプロジェクトが世界に大きな打撃を与えた新型コロナに関連していることはあり得ないと主張した。
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ならず者国家と見なされた国の政府と強い関連のある海外の研究所での活動への監視が強化された。
動物保護団体「ホワイト・コート・ウェイスト・プロジェクト(WCWP)」が、NIHによるロシア国営パブロフ生理学研究所への54万9000ドル超の助成金提供を明らかにしたことを受けて、共和党のマクレーン下院議員(ミシガン州)ら議員は、助成の早期停止を要求した。この助成金の一部は、ネコの脊椎研究に充てられていた。
この研究では、ネコの脳の一部を切除し、脊椎に電極が埋め込まれた。研究者らは、この猫をトレッドミルで数時間にわたって連続して歩かせ、脊髄への影響を調べていた。