バイデン氏が招いた不況
By Editorial Board – The Washington Times – Thursday, July 28, 2022
明らかであり、今や公認されている。つまり米経済は不況に陥っている。パワーを失ったジェット旅客機のように、国を動かす生産力は、プスンプスンと音を立て、きしみながら着陸した。国民は、かぶったほこりを払って、バイデン大統領と民主党の仲間に、不幸へのフライトに燃料を供給してくれたと感謝するはずだ。
経済分析局は木曜日、米経済は第2四半期に0.9%縮小したと報告した。第1四半期には国内総生産(GDP)は1.6%減少しており、傾向線は典型的な不況を示している。
常識的な国民は、牛乳1クオート(1.136リットル)やガソリン1ガロン(約3.8リットル)の最新の価格をスラスラ言える。首都ワシントンの二流知識人が発見したことなどすでに知っている。年間の賃金の平均上昇率は4%だが、6月のインフレ率は9.1%になっている。彼らは、財布が日毎に軽くなっていると感じている。5月は、2007~09年の不況のいずれの時点よりも高い12.2%となり、いわゆる(物価上昇率と失業率を足した)経済不快指数が示すように経済は深く傷付いている。
それでも、バイデン政権の当局者らはこれに懐疑的で、国民に対して、だまされてはいけないと言っている。例えば、イエレン財務長官は、景気後退ではなく、単に経済が「減速」しているにすぎないと述べた。しかし、何と言おうと、経済は間違いなく低迷している。
世界経済は相互に依存し合っており、その原因はさまざまだ。しかし、一つの原因が明らかに際立っている。つまり、バイデン氏が、経済が依存している手頃な価格の炭素を含む化石燃料を締め出して、代替燃料に置き換えようとしたことだ。石油・天然ガス田とパイプラインをキャンセルすることによって、彼は、事実上、燃料の供給を制限し、商取引コストを引き上げてしまった。
バイデン政権は、ガソリンの平均価格を過去1カ月で1ガロン当たり60セント引き下げたと自賛しているが、これは、主に、国の緊急「戦略石油備蓄」を放出した結果だ。エネルギー情報局によれば、実際には、米国の石油生産量は7月前半に1.7%減少した。石油の輸入と製油所の生産量の増加があったので、大統領の政策によって引き起こされたガソリン価格の上昇による家庭の苦痛は軽減された。
景気後退スパイラルの責任の一端は民主党が主導する議会にある。パンデミック後の過熱した経済に数兆ドルの資金を注ぎ込んだからだ。民主党が新たに発表した2022年のインフレ抑制法は、可決されると、さらに7000億ドルの政府支出を要求するため、インフレを抑制するより、むしろ促進させる可能性がある。
同様に、連邦準備制度理事会(FRB)は、金利引き上げでインフレの急激な上昇を抑制できなかったことに責任がある。水曜日の0.75%の利上げは、これまでの3回の利上げを上回り、新規借り入れを冷やし始めたばかりだ。景気低迷はすでに雇用市場に影響を与え始めており、フォード・モーター社は、今後数週間で8000人の従業員をレイオフすることを発表している。
経済の崩壊を見詰め、再び空中に浮上させるために何が必要かと思いを巡らせている米国民は「くたばれ、ジョー・バイデン」とつぶやいても許されるであろう。