米海軍、自然との終わりのない戦い

(2022年8月27日)

2020年10月12日、米バージニア州ノーフォークの海軍基地で、誘導ミサイル駆逐艦USSスタウトの船員が母港に戻る際に係留索を扱う米海軍提供の写真。USSスタウトは210日間の配備から帰還する際、錆が見られた。錆はすぐに取り除かれ、船は再塗装された。しかし、錆びた船と疲れた乗組員は、船のメンテナンスの遅れと船員への長期配備がもたらす高価な犠牲を浮き彫りにしている。(Spc. Jason Pastrick/U.S. Navy via AP)

By Mike Glenn – The Washington Times – Sunday, August 21, 2022

 国防総省は、中国を主要な「ペーシングスレット(米国の安全保障政策を左右する主要な脅威)」、ロシアを世界への主要な脅威と呼ぶが、米海軍は、それ以上に恐るべき、深刻な、内側からの脅威に直面しているようだ。それはさびだ。

 米海軍は、鉄の船体に、酸素と海水が合わさって発生した醜い、赤茶色の筋や斑点との終わりのない戦いを続けている。膨大な人力と資金がこの腐食との戦いに投じられているが、残念ながらさびが優勢とみられている。

 海軍大将は、さびとの戦いが海軍にとって軍事と美観という面でいかに重要かを明確にしている。

 海軍のマイク・ギルデー作戦部長は4月、ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)で、「外観は重要だ。シャープに見せなければならない。世界一の海軍であり、それにふさわしい外観が必要だ」と述べた。

 さびで汚れた駆逐艦や補給艦は醜いが、問題はその見た目よりもさらに深刻だ。さびは放置すると、船の構造に重大なダメージを与える。

 ハワイ太平洋大学で歴史と国際関係論を教えるカール・シュスター元海軍大佐は、「それは必要な機能だ。船体を整備しなければ、当然だが、崩壊する」と述べた。

 「普通の鉄がさびると、強度は3分の1以下になる」

 海軍は、もっと数多くの艦艇を動かし、もっと早く任務を行う必要があると非難されている。環境への懸念から除去作業がしづらく、新型コロナウイルスの感染拡大によって、整備のための艦艇の入港が止められてきたことがその原因だという。

 サガモー研究所の上級研究員で元海軍大佐のジェリー・ヘンドリックス氏は、「これによって、船の整備への取り組み方が変わった。船の劣化が加速している」と述べている。

 海軍は、船の維持を怠っているわけではないと主張している。海軍水上部隊広報官のアーロ・エイブラハムソン氏は、部隊のクルーは、艦艇に必要な運用と整備の間のバランスを取ることに「膨大な時間とエネルギー」を費やしていると述べた。

 エイブラハムソン氏はワシントン・タイムズ紙に対し、「船が稼働できる状態にし、任務を完全に遂行できるようにするために、船の維持、その他の整備に必要な事項との整合性について組織的に取り組んでいる。寄港後、整備期間中、船の維持に関するこれらの問題にすぐに対処している」と述べた。

 エイブラハムソン氏はミサイル駆逐艦「ベンフォード」の例を挙げ、艦長が、航海中にも外の腐食を防止できるよう専属のチームを設置したことを明らかにした。

 このチームの一員のアレクサンダー・ポルク1等兵曹は、「チームは日曜以外の毎日、現場でさびを取り、下塗りをし、塗料を塗っている。毎週、検討会を開き、今後の業務について話し合っている」と述べた。

 船をきれいにしておくには資金も必要だ。最新の見積もりは手に入りにくいが、2014年の国防総省の調査で、海軍艦艇の船体をさびないようにするために年間30億㌦の費用を計上していた。全整備費用の4分の1に当たる。海軍当局者らは、さびとの戦いは「終わりのない挑戦だ」と話している。

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