84歳女性に銃撃、中絶反対派が暴力の標的に
By Valerie Richardson – The Washington Times – Thursday, October 6, 2022
人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた「ロー対ウェイド判決」が覆されてからの数カ月間、プロライフ(中絶反対)運動が標的になってきたが、ジョアン・ジェイコブソンさんの事件は比喩ではない。
84歳のボランティアであるジェイコブソンさんは9月20日、彼女を「右翼の変人」と呼ぶ男に肩を撃たれた。ジェイコブソンさんは反中絶団体「ミシガン州生命の権利」の一員として、ロー対ウェイド判決を法律にする住民投票「提案3」への反対で戸別訪問をしていた。
オデッサ・タウンシップに住むリチャード・アラン・ハーベイ容疑者(74)は、重暴行、けがを負わせる不注意な発砲、および銃器の無謀な使用で起訴された。容疑者は、口論中に誤って銃が発射されたと主張しているが、ジェイコブソンさんは信じていない。
「私はそれが事故だったとは思わない。彼は自分が何をしているのか分かっていたと思う」。ジェイコブソンさんはワシントン・タイムズ紙にこう語った。
この銃撃事件は中絶反対派にとって、連邦最高裁が6月24日に「ドブス対ジャクソン判決」を下して以来、プロチョイス(中絶賛成)派の反発が恐ろしくエスカレートしていることを示すものだ。70以上のプロライフ妊娠センターが過激派による攻撃を受け、その一部は過激派グループ「ジェーンズ・リベンジ」が関わっている。
連邦捜査局(FBI)はこれら事件で一人も逮捕していない。しかし、FBIは先月、ペンシルベニア州の中絶反対派活動家マーク・ホーク氏の自宅を家宅捜索した。民主党が中絶問題を前面に押し出す中、中絶反対運動が格好の標的とみなされているのではないか、との恐怖を高めている。
「ミシガン州生命の権利」は声明で、「もう十分だ」と訴えた。
「ロー対ウェイド判決が覆され、2022年の選挙シーズンが最も重要な段階に入って以来、中絶を支持する議員やメディア関係者からの暴言は常軌を逸している」と同団体は述べた。「暴言は9月20日にリチャード・ハーベイ容疑者が84歳の中絶反対派ボランティアを銃撃することで頂点に達した。彼女は情熱的な女性であり、自分が住むレイク・オデッサ町の人々に提案3について話したかっただけだ」
民主党のメイジー・ヒロノ上院議員(ハワイ州選出)は先月、中絶論争を「文字通り戦いへの呼び掛け」と称した。同党のエリザベス・ウォレン上院議員(マサチューセッツ州選出)も、緊急妊娠センターが妊婦を「欺いてミスリードしている」として、連邦政府による取り締まりを要求した。
ミシガン州では、民主党のグレッチェン・ウィットマー知事が中絶へのアクセスを再選に向けた選挙運動の中心に位置付け、中絶制限に「死に物狂いで戦う」ことを繰り返し誓っている。
ウィットマー知事は7月、個別条項拒否権を行使し、養子縁組・プロライフ妊娠施設への2000万㌦の支援を取り消した。知事が起こした訴訟により、裁判所は8月、中絶を重罪とする1931年の法律を阻止する裁定を下した。
知事のオフィスに銃撃事件についてのコメントを求めたが、回答はなかった。
ウィットマー氏から知事の座を奪おうと立候補している共和党のチューダー・ディクソン氏は、知事がドブス判決後の混乱をあおっていると非難した。
「考えてみてほしい。(被害に遭ったのは)84歳の女性だ。だが、これに関し、われわれの州知事から何も聞いていない。しかし、思い出してほしい。知事は今、中絶問題で人々をかき乱している。彼女が語るのは中絶問題ばかりだ」。ディクソン氏はFOXニュースでこう語った。