ツイッター・ファイル公開、米共和党のIT大手と民主党の癒着追及が活発化

(2022年12月11日)

2022年10月26日(水)、ニューヨークのツイッターのオフィスが入るビルの日よけに、ツイッターのロゴマークが見える。(AP Photo/Mary Altaffer)

By Joseph Clark – The Washington Times – Sunday, December 4, 2022

 イーロン・マスク氏が、2020年にバイデン陣営とツイッター社が協力し、ハンター・バイデン氏の恥ずべき違法行為となりうる行動に関する情報を抑制したことを詳述した「ツイッター・ファイル」を公開したことで、ビッグテック(IT大手)と民主党の検閲同盟に新たな監視の目が向けられている。

 IT大手による政治的検閲が、バイデン大統領の2020年選挙の勝利に貢献したという告発が再燃している。また、保守的な視点を抑圧するこの共謀に対抗する下院共和党の計画も加速している。

 共和党のケビン・マッカーシー下院院内総務(カリフォルニア州)はFOXニュースの「サンデー・モーニング・フューチャー」で、「フェイスブックやグーグルにも目を向ける必要がある。これらは今や民主党の武器、バイデン政権の武器になっている」と述べた。

 最近ツイッターを買収したマスク氏は、今後数週間のうちにさらに多くの文書を公開することを約束した。こうして透明性を高めるのは、ツイッターの過去の過ちを正し、社会の信頼を高めるためのものだという。

 マッカーシー氏によると、マスク氏が2日遅くに公開した大量のファイルは、ハンター・バイデン氏のノートパソコンを「ロシアの情報操作」と見なした何十人もの現・元情報関係者の役割に疑問を投げかけるものだという。

 「彼らは米国民にうそをつくために、また情報機関を利用した。この人たちが今後も情報機関にいていいのか。この人たちはまだ情報を持つことを許されるべきなのだろうか。このような人物らが政治にかかわることを許してはいけない。そして、これはわれわれが今後調査すべきことの氷山の一角に過ぎない」

 民主党系の元情報当局者には、元国家情報長官ジェームズ・R・クラッパー氏、中央情報局(CIA)の元長官で国防長官だったレオン・E・パネッタ氏、元CIA長官ジョン・O・ブレナン氏、元CIA長官マイケル・V・ヘイデン氏らが含まれている。全員が、このノートパソコンは「ロシアの情報操作」のように見えると述べていた。

 ツイッターでは、マスク氏が独立系ジャーナリスト、マット・タイビ氏による長大なツイッターのスレッドと関連して、同社幹部が2020年にしたことが明らかにされた。このスレッドでは、バイデン氏の息子であるハンター・バイデン氏が放置したノートパソコンの中身を暴露したニューヨーク・ポストの記事を受けて、ツイッターの幹部らが方針を決めたことが明らかにされている。

 2020年10月14日、選挙の数週間前のニューヨーク・ポストの報道によって、ノートパソコンから取り出されたハンター・バイデン氏の依存症との闘いや、莫大な利益をもたらす海外ビジネスに関する恥ずかしい電子メール、写真、テキストメッセージが暴露され始めた。ハンター氏の海外ビジネスについては、影響力行使の見返りではないかとの見方も出ている。

 メールの内容は、海外のビジネスについて息子と話したことはないというバイデン氏の主張とは矛盾する。

 また、ハンター・バイデン氏がノートパソコンを放置したコンピュータショップのオーナーは、このパソコンとハードディスクを連邦捜査局(FBI)に引き渡した。

 同紙の記事には、ノートパソコンから取り出したハンター・バイデン氏の恥ずかしい写真が掲載されており、その中にはコカイン吸引パイプをくわえて気絶している写真も含まれていた。

 マスク氏が公開したファイルによると、ツイッターの幹部はしばしば両政党からの要請に応じて行動していたが、大部分は民主党からの要請だったという。

 タイビ氏の初期のスレッドの指摘によると、「言論の操作を要請する」外部のグループのせいで会社は手に負えなくなっていた。

 タイビ氏は、「2020年までには、関係者からのツイート削除依頼は日常茶飯事になっていた。ある幹部が別の幹部に、『バイデンのチームからもっと見直すように』と書き送ると、『処理した』と返信があるという具合だった」と書いている。

 タイビ氏によると、これらの要求は、民主党、共和党とコネのある俳優から来ていた。バイデン陣営だけでなく、トランプ政権からの要請も受け入れていたという。

 タイビ氏は「このシステムはバランスを欠いていた。コネに基づいていた。ツイッターは圧倒的に一つの政治的志向を持つ人々によって運営されているため、右派よりも左派(要するに民主党)の方が、より多くのチャンネル、より多くのクレームを入れる道が開かれていた」と書いている。

 ハンター・バイデン氏の投稿を抑える作戦が成功したことで、バイデン氏は2020年の選挙でトランプ大統領に勝つことができた可能性がある。

 トランプ陣営から調査依頼を受けていた世論調査会社、マクローリン・アンド・アソーシエイツによる選挙後の調査では、バイデン氏に投票した有権者の4.6%が、「メール、テキスト、目撃証言、銀行取引に存在する証拠…ジョー・バイデン氏と中国共産党とつながりを持つ中国企業とハンター・バイデン氏のビジネスの間の汚れた金融取引とが結びつく」ことを知っていれば考えを変えていただろうとし、その多くがノートパソコンに関する報道で暴露されたことが判明した。

 4.6%は、激戦州での選挙結果を覆すのに十分な数だ。

 ツイッターが公開したファイルは、選挙の数週間前にハンター・バイデン氏の話をツイートしたことで、トランプ政権の大統領報道官、ケイリー・マケナニー氏のアカウントが凍結されたことを明らかにしている。これを受けて、トランプ陣営のスタッフだったマイク・ハーン氏がツイッター関係者に怒りのメールを送った。「せめて次の20日間くらいは気にするふりをしてくれ」

 バイデン陣営は、このノートパソコンをロシアによる偽情報と決めつけたが、現在は本物だと認められている。

 それは、50人以上の元米情報機関高官が公開書簡で明らかにしている。ツイッターはFBIからの警告を受け、大統領選挙の前にこのノートパソコンに関するネットでの議論の検閲を始めた。

 メタ社のマーク・ザッカーバーグCEOは最近、このパソコンの真偽についてFBIから警告を受け、フェイスブックがこの話題をめぐるネット上の議論を検閲したことを明らかにした。

 ツイッターもこの話題を抑えるために並々ならぬ努力をした。投稿に「安全でない」というラベルを貼り、ユーザーがダイレクトメッセージで記事へのリンクを共有するのをブロックするなどした。ツイッターからこの新事実が明らかにされたことで、政府当局者が話題が拡散しないよう具体的に影響力を行使した可能性は薄くなった。

 ユーザーや共和、民主双方の政治家から批判が殺到する中、顧問弁護士ビジャヤ・ガッド氏らツイッター幹部は、これらの投稿の扱いについて何度も議論したという。

 タイビ氏は「ガッド氏と『信頼と安全』担当チーフだったヨエル・ロス氏らを交えたその後の長いやりとりを見れば、その混乱ぶりが分かる。広報担当のトレントン・ケネディ氏は、『これらの投稿を安全でないとする根拠を見いだすのは難しかった』と書いている」と指摘した。

 議論は会社の上層部にまで及んだが、ツイッターの創業者でCEOのジャック・ドーシー氏はかかわっていない。ドーシー氏は2021年3月に議会で、投稿を抑えたのは「完全な間違いだった」と述べている。

 幹部たちは、ノートパソコンにあった資料がハッキングされたものかどうか判断できないため、ブロックすべきだと判断した。

 タイビ氏は、「ある元従業員はこの判断について、『個々の判断に任せただけ』と説明した。ハッキングは言い訳だったが、数時間のうちに、ほとんどの人がそれが通用しないことに気がついた。しかし、誰もそれを覆す勇気がなかった」と書いている。

 ツイッターのグローバルコミュニケーション担当の元副社長、ブランドン・ボールマン氏はあるメールで、「これがポリシーの一部だと本当に言いきれるだろうか」と訴えた。トランプ氏とロシアの共謀の主張を推進し、報道機関への資料のリークで刑事捜査を受けた元司法省職員のジム・ベーカー副法律顧問は、「注意が必要だ」と回答していた。

 ベーカー氏は「この資料がハッキングされたものかどうかを判断するには、もっと情報が必要だという結論を支持する」と書いた。

 民主党のロー・カンナ下院議員(カリフォルニア州)は、2020年10月に勃発した論争に対して、ガッド氏へのメールで、この判断は議会の反発を招くと警告した。

 カンナ氏は、ポスト紙が記事を掲載した10月14日に送信したメールで、「議会で大変な反発を招く。もしあなたにその気があれば、喜んで話をする」と書いている。

 カンナ氏はガッド氏と交わした別のメールで、「これは憲法修正第1条の原則に違反しているようだ」と警告した。

 「私がこう言うのは、完全にバイデン氏側の人間としてであり、彼は何も間違っていなかったと確信している。しかし、今は、比較的無害な電子メールよりも検閲が話題になってしまい、以前よりも大きな問題になってしまった」

 カンナ氏の見解は、民主党内の一致した意見とは言い難いものだった。

 翌日、インターネット政策調査会社「ネットチョイス」のカール・スザボ氏は、ツイッターの公共政策担当の責任者ローレン・カルバートソン氏に、共和党議員9人と民主党議員3人の計12人の議会スタッフから得た調査結果を電子メールで送った。

 スザボ氏は、スタッフらが「(大手ITは)自身を規制することもできないほど大きくなった」と不満を表明したと指摘、ツイッターは今後の公聴会で「血まみれになる」だろうと警告した。

 スザボ氏によると、共和党議員らは、ハンター・バイデン氏の話題に対するツイッターの検閲を「転換点」と呼んでいる。ある議会スタッフは、この出来事をIT大手の「アクセス・ハリウッド問題」と呼んでいる。これは、2005年に録音されたドナルド・トランプ氏の女性に関する下品な話を指し、2016年の選挙の数週間前に公表された。

 一方、民主党議員らはネットチョイスの調査で「憲法修正第1条は絶対ではない」と表明し、ソーシャルメディア企業がネット上の議論を十分に管理していないと訴えた。

 スザボ氏は、「民主党議員らは、ソーシャルメディアは民主主義を腐敗させ、すべての『真実』を相対化させるから、もっと管理する必要があるという考えで一致していた」と書いている。

 スザボ氏によると、民主党は、ソーシャルメディアが「十分に有害コンテンツ」を管理しないことで、保守派の術中にはまり、「管理すればしたでネタにされる」と非難している。

 「これら企業がもっと管理していれば、保守派は偽情報を発信したり、あるいはその逆に事実を伝えたりするためにソーシャルメディアを使おうとすら思わないだろう」

 2日にツイッター・ファイルの第1章が始まったことで、共和党からの反発とリベラルなメディアからの否定が混在することになった。

 トランプ氏は2020年の選挙のやり直しを要求した。政府や大手IT企業などが行った「不正」によって、バイデン氏は勝利したと主張した。

 トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、「すごい! ツイッターと政府によるさまざまな形の不正、特に不正選挙についてのビッグストーリーだ。他の大手IT企業でも、それほどではないにしても、同じようなレベルの不正行為が行われていた」と訴えた。

 さらに、「私たちは非常に腐敗した国に住んでおり、インターネット上では『司法省とFBIは完全に腐敗しているから何もしない』と言われている。だが、彼らはホワイトハウスから合法的かつ公然と持ち出された『箱』の調査は続ける」と強調した。

 下院司法委員会の次期委員長であるジム・ジョーダン氏(共和、オハイオ州)は、このファイルによって、ソーシャルメディアに対する民主党の影響力について疑念が生じたと述べた。

 「心の底では、左翼はもはや修正第1条を信じていない。だから、FBIがソーシャルメディアに話をし、国民が読んだり、見たり、コメントしたりする投稿を変えたり、影響を与えたりすることを望んでいる」

 ツイッター内部での議論から、民主党が憲法修正第1条を軽視していることが分かると述べた共和党議員もいる。

 共和党のアンディ・ビッグス下院議員(アリゾナ州)は「ツイッターのファイルは、IT大手の過激な左派が保守派を黙らせるためにいかに政策を操作しているかを証明している。ファイルで見つかった裏切り者は、すぐにでも調査すべきだ」と述べた。

 共和党のローレン・ボーバート下院議員(コロラド州)は、マスク氏は「犯罪現場を買い取り、レシートを公開している」と述べた。

 「IT大手が左翼を勝たせるために共謀し、検閲し、偽情報を流していることは皆知っていた。フェイスブック、グーグルなど、他のシリコンバレーの大企業の内情も暴露する必要がある」

 それでも、一部の共和党議員は、今回の暴露が2020年の選挙のやり直しを正当化するものだというトランプ氏の主張は行き過ぎだと言う。

 その中には、1月に共和党が多数派となった下院の情報特別委員会の委員長に就任する予定のマイケル・ターナー議員(オハイオ州)も含まれている。

 ターナー氏はCBSの「フェイス・ザ・ネイション」で、「トランプ氏が行った発言には、まったく同意できない。トランプ氏の発言には、同意できないものが無数にある」と述べた。

 3日に行われたツイッターのライブ質疑応答でマスク氏は、ニューヨーク・タイムズ紙の元オピニオン編集者で、現在はサブスタックで執筆しているバリ・ワイス氏にも文書を手渡したと述べた。

 また、ファイルのネット公開も検討しているという。

 「ポイントは、ただすべてをクリーンにすることだ。ツイッターが過去にしたこと、あるいは未来に行うことすべてに人々が必ずしも同意するわけではないが、少なくともそれが起きていること、そして人々が気づいていないところで怪しげなことが起きていないことは知っておくべきだ」

 10月に440億ドルでツイッターの買収を完了したマスク氏は、多くの保守派が言論の自由の抑圧に使われてきたとするツイッターの検閲ポリシーを強化すると宣言した。

 この約束は反発を招いた。特に自由なツイッターの投稿は民主主義に破滅をもたらすと警告する人々が強く反対している。

 バイデン氏は今月、マスク氏によるツイッターの買収を嘆き、このツイッターが世界中に偽情報を広めていると非難した。

 バイデン氏はシカゴで行われた民主党の資金調達パーティーで、「イーロン・マスク氏は、世界中にうそをばらまく会社を買収した。誰にもコントロールできない」と述べた。

 マスク氏は先月、選挙の数週間前に、IT大手によるハンター・バイデン氏のノートパソコンに関する投稿への抑制を暴露することは、国民の信頼を回復するために極めて重要だと述べた。

 マスク氏は先週のツイッターの投稿で、2020年の大統領選への干渉を具体的に主張したわけではないが、ツイッターは「選挙に干渉した」と述べた。

 「長年のユーザーなら知っているように、ツイッターは非常に長い間、信頼と安全で失敗し、選挙に干渉してきたという明白な現実がある。ツイッター2.0は、はるかに効果的で、透明で、公平なものになる」

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