シリア系米国人組織、バイデン政権のシリア政策を非難
By Guy Taylor – The Washington Times – Wednesday, January 18, 2023
シリア系米国人活動家のリーダーが、米国はシリアのアサド大統領の戦争犯罪を無視することで、世界の舞台で信頼を失い、アサド氏が10年以上に及ぶ内戦で勝者となることによる影響を認識しておらず、危険だと主張した。
ハーバード大学医学部の医師で、シリアの民主化を目指す非政府組織を率いるムハンマド・バクル・グベイス氏はインタビューで、バイデン政権は発足から2年たってもシリア政策の特使を任命できないという失態を演じたと述べた。
グベイス氏は、バイデン政権と外交エスタブリッシュメントが、ロシアとイランによるアサド氏の「正常化」を許していると述べた。その上で、ロシアがアサド政権の下支えに成功したことが、ロシアのプーチン大統領を勇気づけ、ウクライナへの侵攻に直接つながったと訴えた。
グベイス氏はワシントン・タイムズに、「言うはやすし、行うは難しといわれる。アサドは犯罪者であり、裁かれるべきだとされているにもかかわらず、何の行動も見られない」と語った。
「国際社会は米政府に注目しており、アサドの責任を追及し、裁きを受けさせるために行動すべきだ。現在の米国の政策は、ロシアとイランの中東での影響力を強めようとしているように見える。両国はシリアを自国の目的達成のために利用しようとしている」
グベイス氏は「米国は見て見ぬふりをしている」と厳しく非難した。これらの発言は、高等教育を受けたシリア系米国人約150人から成る有力団体「安全な米国のための市民(C4SSA)」の会長として出てきたものだ。
C4SSAは2018年の設立以来、ほとんど目立たない存在だったが、米国の議員を直接巻き込み、情報提供イベントを開催することで支持を集めてきた。昨年はヘリテージ財団で、シリアでの戦争がこの地域や世界での米国の外交政策に与える影響を取り上げたイベントを開催した。
また、C4SSAはその活動の中で特に、米国、欧州、中東の各国政府が残虐行為を裁くことができるよう、アサド政権による戦争犯罪の証拠の収集に協力してきた。
また、シリアの問題が今後も続くこと、米国がこの危機から手を引くことの危険性について警鐘を鳴らすことにも意欲的に取り組んでいる。アサド氏は自信を強め、長い外交的孤立から脱しつつある。昨年には、米国の同盟国であるアラブ首長国連邦(UAE)を電撃訪問した。
「シリアがアフガニスタンのようになってしまうことは危険であり、脅威となる」
「シリアを立て直すための本格的な成功戦略が欠けており、われわれは政策立案者とシリアの人々の橋渡しをするハイブリッドな組織として、その空白を埋めるための取り組みを強化する。シリア国内の家族、友人、個人でつくるネットワークと話すことで、現場で何が起きているのかを把握している」