ロシアが中国にウラン供給 核増強を後押し、米が懸念
(2023年3月10日)
By Bill Gertz – The Washington Times – Updated: 6:25 p.m. on Thursday, March 9, 2023
米国防総省は8日、ロシアが中国の原子炉にウランを供給していることに懸念を表明した。中国は核戦力の増強を急速に進めており、原子炉で発生したプルトニウムは核弾頭の原料として使用される。
プラム米国防次官補(宇宙政策担当)は、下院軍事委員会戦略軍小委員会の公聴会で証言し、ロシアの国営原子力企業ロスアトムが、中国の高速増殖炉にウランを供給していることについて、中国の核弾頭製造を後押しすることになると警告。ランボーム小委員長(共和)は、中露の核協力を断ち、ロスアトムからのウラン供給を停止させるための戦略の立案を政権に求めた。
ブルームバーグ通信は先月28日、ロスアトムが昨年12月12日に国営の中国核工業集団にウラン約6・5㌧を供給したことを明らかにした。バイデン政権はこれを非難したが、中国政府は核拡散防止の義務は果たしていると一蹴した。
ロシアから燃料の供給を受けた原子炉は、年内に本格運用を開始し、兵器級のプルトニウムの製造が可能になる。
米戦略軍のコットン司令官はこの日の証言で、中国は核保有について最低限の抑止力確保のためと主張しているが、近年の核戦力の増強はそのレベルを超えていると主張した。
中国は同国西部で大規模な大陸間弾道ミサイル(ICBM)格納施設の建造を進めており、新型の多弾頭ICBM「東風41」を最大360基配備可能とみられている。
コットン氏は、「核兵器の質と量に関して、中国は一部の分野で米国と同等、一部では米国をしのいでいる」と警鐘を鳴らした。