米退役軍人省、リンカーンにちなんだ標語をジェンダー配慮に変更

(2023年3月27日)

2013年6月21日撮影、ワシントンの退役軍人省ビル正面に貼られたシール。(AP Photo/Charles Dharapak)

By Ramsey Touchberry – The Washington Times – Monday, March 20, 2023

 米退役軍人省は、民主党や退役軍人団体らの長年にわたる圧力の結果、数十年間採用してきた標語のエイブラハム・リンカーンの言葉を、よりジェンダーを包括した綱領に改めようとしている。

 退役軍人省の現行の標語は、「戦った者たちとその未亡人、孤児をケアする」というもの。リンカーン大統領の2期目の就任演説から引用され、1959年から使用されている。

 新しい標語は、以下のように男性に限定した言葉が削除された。「わが国の軍隊に従事した者たちとその家族、介護者および遺族をケアするというリンカーン大統領の約束を果たす」

 退役軍人省とその関係者は新たな標語について、女性をより歓迎するものであり、同省が支援する退役軍人の中で最も急速に増えている60万人以上の女性退役軍人に対し、適切な敬意を払うものだとしている。

 「退役軍人やその家族、介護者、遺族が退役軍人省施設のそばを通る時は、建物の外壁に書かれた綱領に自らを重ねてほしい」と、デニス・マクドノー退役軍人長官は語った。「われわれはすべての退役軍人とその家族、介護者、遺族に仕えるためにいる。新しい綱領は、まさにそれを反映するものだ」

 この変更は、長年に及ぶ民主党議員と退役軍人団体らの働き掛けに加え、退役軍人省が近年行った退役軍人3万人への聞き取り調査を経て実施された。

 「言葉は強力なツールであり、退役軍人省の医療施設や神聖な墓地を訪れる退役軍人やその家族、介護者、遺族に知ってもらいたいのは、退役軍人省は今もこれからも彼らのための場所であり、すべての退役軍人の功労が評価・認識され、米国は彼らと残された人々に常に感謝し続けるということだ」。下院退役軍人委員会の民主党トップであるマーク・タカノ下院議員(カリフォルニア州選出)はこう述べた。

 上院退役軍人委員会のジョン・テスター委員長(民主党・モンタナ州選出)は、「退役軍人省をすべての退役軍人にとってより包括的にするための重要な一歩だ」と称賛した。

 同省によると、現行の標語はおよそ半分の退役軍人省施設に掲示されている。この標語は数カ月中に新しい綱領に貼り替えられるが、納税者の負担は明らかにされていない。

 イラク・アフガニスタン退役軍人会は退役軍人省にロビー活動をしてきた団体の一つだが、度重なる要請はトランプ前政権下で、標語の変更は歴史とリンカーンの業績に対する攻撃であるとの反発を受け、はね返された。

 「退役軍人省の標語の変更を呼び掛けることは、言葉の問題以上でもあった」と、イラク・アフガン退役軍人会のアリソン・ジャスローCEOは語った。「これは退役軍人省の文化を変える必要性とトップから正しい気風をつくることを巡る問題だ。われわれは、すべての退役軍人とその愛する人々が完全にサポートされていると感じられる退役軍人省の文化ができるまで、妥協してはならない」

 共和党議員の多くはこの決定について沈黙しているが、綱領の変更は保守的な人々や団体から批判を呼んでいる。

 保守系の政治活動家・資金調達団体の「ティーパーティー・ペイトリオッツ」は、この変更を「狂気だ」と評し、「ジョー・バイデン政権は差別問題に専念し過ぎて、女性が含まれていないという理由で標語からエイブラハム・リンカーンの言葉を削除した」と主張した。

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