風力への依存があらゆるコストを押し上げる
By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, September 13, 2023
物価が再び上昇している。労働統計局が13日に発表した結果によると、インフレ率は再び上昇し、8月には3・7%を記録した。
これは、消費者が長い間感じてきた懐の痛み具合を裏付けるものだ。労働統計局によれば、過去2年間だけでも、月々の電気代は25%も跳ね上がり、一方ガソリン代は中部大西洋岸で55%も高騰した。
なぜこんなことになっているのか? 風力発電のせいだ。
世界有数の風力発電プロジェクト開発企業が、夏の業績不振を示すコメントを発表した。デンマークのオーステッド社は、大規模な洋上風力発電所が当初予想されたコストでは東海岸に建設できないと発表、バランスシートに23億㌦の打撃を受けた。ブルームバーグの取材に対し、オーステッド社最高経営責任者(CEO)のマッズ・ニッパー氏は、消費者のエネルギー価格が2桁の割合で上昇することは避けられないと述べた。
「もしそうでなければ、われわれも同業者もこれ以上沖合に建設するつもりはない」と同氏は述べた。つまり、風力は国民の資金をもっと投入しなければ成功しないのだ。
西海岸のワシントン州における新たなキャップ・アンド・トレード制度は、まさにそれを実行している。つまり、代替エネルギーを支えるために、消費者に負担を強いるのだ。この制度は実質的に経済の最も生産的なセクターに課税するもので、二酸化炭素の発生量1㌧当たり60㌦近くを徴収する。
その負担は最終的に、燃料ポンプや光熱費、そして自動車やトラック、飛行機によってつくられ、増加し、移動するあらゆるものに転嫁される。つまり、この計画はあらゆるものをより高価にするのだ。
ワシントン・ポリシー・センターのトッド・マイヤーズ氏の優れた研究によれば、これはガソリン1ガロン当たりのコストに50セント上乗せするのと同じことだという。同氏は、ワシントン州公益事業貿易委員会(UTC)は、キャップ・アンド・トレードが家庭暖房用の天然ガス料金に悪影響を与えることを黙認していると指摘する。
マイヤーズ氏はジェイ・インスリー同州知事について、「これらの値上げの政治的コストは、インスリー政権と議員たちが値上げを否定するか隠そうとしていることを意味する」と述べた。
UTCは、ピュージェット・サウンド・エナジー社による新たな制度によって増加した天然ガス料金の回収を承認する際、混乱を招くことを理由に、同社に対し、なぜ請求額が急速に上昇したかについて顧客に正確な説明をすることを阻止した。代替エネルギーの支持者たちは、政策立案者が発電事業者に信頼性が高く豊富で安価なエネルギー供給から切り替えるよう強制できるようにするため、電気代が上がることを国民に知られたくないのだ。
2022年には、ニューヨーク州北部のナショナル・グリッド社の顧客の電気料金のほぼ10%が「気候変動投資」に充てられた。月々の平均請求額96㌦のうち約9・40㌦である。
風力は、24時間稼働可能な石炭や天然ガスといった従来の信頼性の高い電源よりも安いとは証明されていない。風力は風がないと発電を止め、送電網の信頼性を低下させる。
米国人が毎月のやりくりに苦労している中、誤った気候政策が経済的苦境に大きな役割を果たしていることを知ったところで、さほど慰めにはならない。