AIはすでにどこにでもあるが、始まったばかりだ
By Ryan Lovelace – The Washington Times – Monday, October 30, 2023
グーグルの地図アプリで仕事に行けるのは、人工知能(AI)の予測ツールのおかげだ。
フェイスブックが表示する興味を引かれるようなニュース記事は、AIを組み込んだアルゴリズムによって選ばれたものだ。
掃除ロボット「ルンバ」が掃除できるのは、AIを使って部屋をマッピングし、障害物を識別し、最も効率的なルートを記憶するからだ。
強力なAIの開発が急速に進み、買い物、教育、金融サービスなど、日常生活が根底から変化している。機械はAIによって複雑なタスクをこなす能力を与えられた。
AIは科学と工学の一分野であり、機械が大量の情報を処理し、統計を適用し、パターンを検索して、与えられたタスクに対する答えを導き出すのを助ける。
その恩恵をすでにあちこちで受けている。
しかし、リスクもある。
詐欺師はAIを利用して個人情報を盗み、だましやすい高齢者から、あるいはもっと大規模に、無防備な政府システムから金を巻き上げる。
政治家らは、この技術が選挙を操作するために使われることを心配している。ディープフェイク動画を使って、実際には起こっていない失言をでっち上げることも可能だろう。
また、AIを使って爆弾の製造方法を学習する悪党が現れるという大変な事態への懸念も高まっている。
AI法制化に取り組んでいる上院民主党トップのチャールズ・シューマー院内総務は、この大変な事態も気になるが、AIに対して国民がどのように反応するかについての懸念もあると述べた。
シューマー氏はワシントン・ポスト紙のライブイベントで、「電気革命やその100年前の蒸気革命よりも、インターネット革命よりもさらに早く、革命的な変化が起こっている。変化のペースが速すぎる。ついていくのがやっとだ」と語った。
バイデン政権は10月30日、AIの発展に一定の指針を設けるため、これまでの政府で最も厳しい規則を発表した。主な目的は、AIが何を意味するのかよく分かっていない国民の信頼を高めることだ。
しかし、国民は既に何年も前からAIとともに生きてきた。
アップルやグーグルの地図アプリは、交通情報や天気予報をリアルタイムで伝え、利用者にルートを提案するが、これはAIを使った予測分析ツールの導入によって可能になったものだ。
アップルの「シリ」のような、ポケットに収まるバーチャルアシスタントは、これから進む方向を示してくれている。
例えば、ファストフード店のウェンディーズは6月、オハイオ州のドライブスルーで注文を受けるAIボットをデビューさせた。ウェンディーズの「FreshAI」ボットは、グーグルのAIツールを使って顧客と会話をし、注文を把握する。
ウェンディーズのマット・スペサード上級副社長は6月にこう語っている。「もし顧客がチョコレートミルクセーキのラージを頼んだら、システムは、それがチョコレートフロスティーのラージであることを知っている。ウェンディーズのFreshAIは、AIを活用し、音声とデジタルメニューボード上の視覚的な注文表示とをペアにしているため、ドライブスルーの顧客は自動注文システムと対話しながら、安心して注文できる」
医療分野では、ほとんど奇跡的と思えるAIの開発もある。
MITテクノロジー・レビューによれば、18年前に脳卒中で話す能力を失った女性が、脳インプラントとAI技術を使って、自分の声の複製とデジタルアバターを使って会話したという。
国家安全保障の分野では、AIアシスタントが、時間が迫り、強いプレッシャーの中で複雑な問題を解決することが期待されている。
政府機関と協力しているブーズ・アレン・ハミルトン社のパトリック・ビルトゲン氏は、最近の安全保障サミットで、スーパーヒーローの物語「アイアンマン」でトニー・スタークがAIキャラクターのジャービスを頼りにしているように、米国のスパイがAIを使うようになる日が来ると指摘した。