ウクライナに学び、中国に備えよ ミリー前統参議長
By Mike Glenn – The Washington Times – Tuesday, February 13, 2024
ウクライナは1991年に独立、ロシアのプーチン大統領が約2年前にロシア軍に国境を越えるよう命じた時も依然、独立国家だった。マーク・ミリー退役陸軍大将は13日、米陸軍協会(AUSA)が主催したフォーラムで、ロシアの兵士はすぐに、戦っている相手は軍隊だけでなく、ウクライナという国全体だということに気づいたと述べた。
ロシア人は、侵攻初期に占領したすべての都市や町で敵と見なされていた。ミリー氏は、住民はウクライナ軍当局にとって貴重な情報源になったと述べた。
「ウクライナの人々の大多数、特に兵士となりうる年齢の人々は、自由で独立した国で育った。自由がある国の国民は簡単に征服されない。国全体がすぐに一丸となって戦うことができる。そのため敵は、軍隊だけでなく、国民と戦うことになる」
ミリー氏はこれを、今なお続くウクライナでの戦闘から得た「大きな収穫の一つ」と呼んだ。
ミリー氏は、波乱に満ち、時には物議を醸した統合参謀本部議長の職を2023年9月に終えて以来、目立つことはなかった。母校のプリンストン大学は13日、ミリー氏が同大学の公共・国際問題学部の客員教授兼講師に着任することを発表した。
ミリー氏はAUSAの会合で、在任中に得た教訓と、間もなく2年を迎えるロシアとウクライナの紛争から学んだことの一部を明かした。
米国の軍事教官は、ウクライナ侵攻の何年も前から、ウクライナ兵と協力していた。ウクライナ兵らは、「指揮官の意図」という概念、つまり細かな指示を受けることなく任務を遂行する術を学んだ。ミリー氏は、ロシアが現在も採用している
「トップダウン」 の管理スタイルと比較し、ウクライナの方が優れていると指摘した。
「現地の指揮官には、戦場で敵を倒すために必要な戦術的決定を下すための大きな自主性が与えられていた。それが…ウクライナ人が防衛を成功させている理由の一つだ」
ウクライナから学ぶべき三つ目の教訓は、新しい技術が戦場でますます重要な役割を果たすようになっていることだ。
ミリー氏は「ドローンは非常に大きな影響を与えている。ロシア人もウクライナ人も使っている。もっともっと研究すべきものだ」と述べた。
また、ロシアは大量の核兵器を保有しているため、依然として重大な懸念事項であるが、中国は今後50年間、あるいはそれ以上の期間にわたって、米国の国家安全保障にとって最大の脅威であると今でも考えていると述べた。
「中国には力、経済、人口、軍事で潜在的な力があり、注意していなければ米国と同等かそれを上回る可能性がある。中国は明らかに、今後数年で超大国、経済大国になる能力を持っている。また、それを実現させる意思があることを明確にしている」