カナダ国防相、北部の防衛強化へ 温暖化で「新たな脅威」
By Mike Glenn – The Washington Times – Monday, May 13, 2024
カナダは何十年もの間、自国の防衛を地理的条件と北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)での米国との協力関係に頼ってきた。しかし、北部の状況が急速に変化しており、迅速な対応を迫られている――カナダ政府の軍トップが13日、語った。
カナダと米国は、1950年代後半から90年代前半まで、カナダ北部の北極圏で「遠距離早期警戒線(DEWL)」と呼ばれるレーダーシステムを運用していた。冷戦時代、ソ連からの爆撃機を探知し、海と陸からの侵攻を早期に警告するために設置された。
カナダのブレア国防相は、ワシントンで開かれた防衛記者グループ(DWG)の会合で、「極北での状況認識はある程度できているが、全体には及んでいない。強化する必要がある」と述べた。
ブレア氏によれば、カナダの北極圏は急速に温暖化しており、他国が進入しやすくなっているという。
「潜在的敵国が、より積極的で攻撃的な行動を取り、北極圏に進出しようとしている。この地域は、新たな課題に直面しており、それは今後新たな脅威となる可能性がある。適切な方法で対応することが求められている」
プーチン大統領率いるロシアは、経済的、軍事的に北極圏を重要視している。複数の国がこの凍った北極での支配を獲得しようとしているが、ウクライナ侵攻によってロシアが西側と決裂したことで困難に直面している。
ブレア氏は、戦闘機や支援機の購入を含む多額の軍事投資を行っており、老朽化した潜水艦艦隊を更新する予定だと述べた。これによりカナダの国防費は国内総生産(GDP)の1.76%に達するが、まだ北大西洋条約機構(NATO)の基準である国防費のGDP2%を達成していない。
「これはNATOとの約束でもあるが、全同盟国との約束でもある。達成しなければならず、その方向に進んでいる」
ブレア氏は、北米への攻撃を抑止するため、北部に探知距離の長い複数の超水平線レーダーを新設する意向を明らかにしたが、それは容易ではないという。
北極海は2050年までに欧州とアジアを結ぶ主要な中継ルートになる可能性がある。ロシアは北極海に大型船舶が利用可能な深海港を持っている。ブレア氏は、カナダがどれだけの港を保有しているかは明言しなかったが、「十分ではない」と述べた。
プレア氏によると、北部にレーダー基地を新設し、維持するには、空港、発電所、道路、光ファイバー網のようなインフラを設置しなければならない。
「アラスカとノルウェーの間ですべきことがたくさんあり、その責任の大部分はカナダにある。カナダ軍を北部に継続的に駐留させたいと考えている」