ギングリッチ氏、核戦争リスク「少しずつ高まる」

(2024年6月7日)

2022年7月26日、ワシントンのマリオット・マーキーズで開催されたアメリカ・ファースト政策研究所のアジェンダ・サミットで、ドナルド・トランプ前大統領の前で演説するニュート・ギングリッチ前下院議長。ギングリッチは自身の議会関係書類をチュレーン大学のルイジアナ・リサーチ・コレクションに寄贈した。ギングリッチはニューオーリンズの大学で教育学の修士号と博士号を取得した。(AP Photo/Andrew Harnik, File)。

By Ben Wolfgang – The Washington Times – Tuesday, June 4, 2024

 前下院議長のニュート・ギングリッチ氏は4日、核戦争の可能性は「毎年少しずつ上がっている」と述べ、現在世界中で多くの紛争が起きていること、多くの国がこの世界で最も殺傷力の高い兵器を保有していることが相まって、世界はかつてないほど危険になっていると警告した。

 ギングリッチ氏は、ワシントン・タイムズ財団主催の月例フォーラム「ワシントン・ブリーフ」で講演し、ロシアのウクライナ侵攻は、核兵器が登場する可能性のあるいくつかの戦域の一つだと述べた。ロシア軍がウクライナ東部で地歩を固めているため、少なくとも短期的にはその可能性は低いと思われるが、ロシアのプーチン大統領は、敗北がほぼ確実となった場合、核使用のような極端な手段に出る可能性があると述べた。

 ギングリッチ氏は、まだその可能性は捨てきれないと述べた。

 「プーチン氏は決定的な敗北を喫すると考えたら、戦術核を使おうとするかもしれない。わずかでも被害を受けると思えば、多くの人々を犠牲にするはずだ」

 ロシア当局者らは、西側諸国がウクライナを支援し続け、ロシアの問題への干渉が続くと考えれば、核兵器を使用すると繰り返し脅してきた。

 ロシアは世界最多の核兵器を保有している。シンクタンク、全米科学者連盟(FAS)は今年、ロシアが保有する核弾頭の数を約4380発と推定した。米国が保有する核弾頭は、大方の推計によれば3700発以上だ。

 しかしギングリッチ氏は、懸念材料はロシアの核兵器だけではないと述べた。

 元中央情報局(CIA)職員のジョセフ・デトラニ氏が司会を務めた4日のフォーラムでギングリッチ氏は「ロシアは多くの核兵器を持っている。われわれも多くの核兵器を持っている。現在、中国が第3位で、増強している」と語った。

 ジョージア州選出の共和党議員だったギングリッチ氏は「まだ、米露には遠く及ばないものの、想像を絶するような被害をもたらすには十分な規模だ。一方、英国とフランスは核兵器を持っている。イスラエルは核兵器を持っている。パキスタンとインドは核兵器を持っている。北朝鮮は核兵器を持っている」と述べた。

 「どこかで核戦争が起こる危険性と可能性は、毎年少しずつ高まっていると思う。それを考慮に入れなければならない。核戦争を回避する方法だけでなく、核戦争を生き延びる方法を研究する必要があるかもしれない」

 ロシアとウクライナの紛争は別の危険性をはらんでいるのではないかと危惧するアナリストもいる。ウクライナは1990年代に核兵器を放棄したが、いずれ米国がウクライナに核兵器を戻すことが戦略的に理にかなっていると判断する可能性があるのではないかということだ。

 ジョージタウン大学安全保障研究センターのアレクサンドル・マンスーロフ教授は4日のフォーラムで、「ウクライナ側と戦術核兵器の共有について話し合うことになるかもしれない」と語った。

 米国がこのような措置を検討しているという兆候はない。バイデン政権は、ウクライナに長距離砲やミサイル防衛システムなどの通常兵器を提供することに消極的な態度を取ってきた。

 ギングリッチ氏は、ウクライナが30年前に独立を果たした際に核兵器を放棄したことが今になって影響を及ぼしていると述べた。たとえば北朝鮮は、核開発によって自国の安全が保証されると判断したのかもしれない。また、北朝鮮の指導者である金正恩氏が核開発計画を放棄したいと思っても、それは事実上不可能かもしれないとギングリッチ氏は言う。

 「たとえ金正恩氏がある朝起きて、ここから抜け出す方法を見つけたいと言ったとしても、金氏が殺される可能性はかなり高い。体制維持に深く関与している人々が大勢いるのだから」

バイデン大統領、退任控え米中技術協定を延長 議会は破棄を要求

(2024年12月19日)

尹大統領失脚なら左派政権復活も 日米との関係に深刻な影響-韓国

(2024年12月11日)

トランプ次期政権の中東戦略の鍵サウジ イランが障害に

(2024年12月08日)

ノートルダム再開式典にトランプ氏招待 バイデン時代の終わり

(2024年12月06日)

トランプ大統領、北朝鮮の核保有容認も 韓国には大きな衝撃

(2024年12月02日)

トランプ関税は自動車部門に深刻な打撃 メキシコが警告

(2024年11月30日)

日韓歴史問題が再燃 佐渡追悼式典巡リ誤報

(2024年11月28日)

トランプ氏再選で日韓に緊張感

(2024年11月23日)

トランプ氏再登板は東南アジア各国に利益

(2024年11月15日)

中国国営メディア、米民主主義を批判 マルクス主義推進の一環か

(2024年11月11日)
→その他のニュース