ナイジェリア、キリスト教徒にとって最も危険な国-人道支援機関報告
By Emma Ayers – The Washington Times – Tuesday, January 7, 2025
世界中のキリスト教徒に対する迫害に関する最新の年次報告書によると、ナイジェリアは北朝鮮のような全体主義国家であるだけでなく、キリスト教徒にとって最も危険な国とされている。
米非営利団体「グローバル・クリスチャン・リリーフ(GCR)」は、2025年版の「危険国リスト」を今月7日に発表した。この報告書では、キリスト教徒の殺害、逮捕、強制移動、財産への攻撃を、裏付けられたデータに基づいて記録している。
過去2年間で、ナイジェリアはキリスト教徒にとって最も不寛容な環境となり、「ボコ・ハラム」や「イスラム国」(IS)関連組織のような過激派グループによって、約1万人の信者が殺害された。
英国に拠点を置くキリスト教人道支援団体「オープン・ドアーズUK」によると、これらの攻撃は、これまで主に西アフリカのイスラム教徒が多数を占める北部に集中していたが、アフリカで最も人口の多いナイジェリアの南部、キリスト教徒が多い地域にも波及しているとしている。
オープン・ドアーズによると、ボコ・ハラムと「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」は、いずれもISの軍事組織と連携しており、特にキリスト教徒を標的とし、キリスト教徒の男性を殺害することで、家族や地域社会を不安定化させる戦術を採用している。
一方で、環境問題が遊牧民フラニ族を南下させており、それがキリスト教徒の農民との衝突を引き起こしている。過激派の一部はこれらの紛争を民族や宗教の対立へと発展させ、キリスト教徒地域にさらなる被害をもたらしている。
GCRの危険国リストによると、アフリカ諸国がキリスト教徒にとって世界で最も危険な国トップ4を占めている。ナイジェリア、コンゴ民主共和国、モザンビーク、エチオピアの順だ。ロシアは5位にランクされている。
インドではキリスト教徒の家庭や教会に対する攻撃が最も多く発生しており、それらは主に、少数派を標的とするヒンドゥー国家主義者グループによるものだ。
GCRの暫定CEOであるブライアン・オーム氏は、プレスリリースで、「ナイジェリア、中国、インドのような国での厳しい状況にもかかわらず、これらの地域社会において驚くべき回復力が見られる。最も暗澹たる状況でも、教会は生き残るだけでなく強くなる。数百万人がリスクを承知の上でイエスを信じる道を選んでいる」と述べた。
一方、アゼルバイジャンでは2023年に軍事攻撃が行われ、ナゴルノ・カラバフのキリスト教徒人口全体が避難を余儀なくされた。これにより、キリスト教徒の中で最も大規模な強制移動が発生したと報告されている。
また、中国はキリスト教徒の逮捕数で世界最多となっており、共産党政権の宗教禁止政策の下で1500人以上の信者が拘束された。これは次に多いエリトリアの475人を大きく上回る。
北朝鮮は逮捕数で第5位だが、厳しい情報統制により、国際的に正確なデータが得られていないとCGRは指摘している。
オーム氏は、「危険国リストの2年間の報告により、キリスト教徒の地域社会が最も深刻な脅威に直面している場所が明らかとなった。命を守る支援を最も必要としている場所に集中させることができる」と述べた。
この年次リストの調査は、「宗教の自由に関する国際研究所(IIRF)」が運営する「暴力事件データベース」の情報に基づいている。このデータベースは、現地でのインタビュー、研究パートナー、自主報告による事件を集約しており、確認されたケースのみが報告されている。