実験室がウイルスの温床に 中国の飽くなき食欲が招く感染症-ハドソン研究所中国センター所長 マイルズ・ユー
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世界を脅かす中国の病気 イラスト:Linas Garsys / The Washington Times
By Miles Yu – Wednesday, February 5, 2025
2020年1月2日、中国・武漢で発生した新型コロナウイルスが世界を恐怖で支配し始めたのとほぼ同じころ、中国東北部の吉林省の裁判所は、中国有数の動物遺伝学者であり、国家工程院の最年少会員である李寧博士に懲役12年の判決を下した。
その罪は、およそ500万ドルの研究資金を横領したことだ。だが、それよりもはるかに重大な犯罪については起訴されることはなかった。実験用の動物を食用として、日常的に売りさばいていた。非常に深刻な不正行為だ。
裁判資料によると、着服した資金のほぼ3分の1、140万ドルは、彼の研究所の実験に使われた遺伝子組み換えの豚、牛、牛乳を4年間、販売することで得たものだった。これは日常的に行われ、組織的危機の徴候を示していた。
その数週間前、致死性の感染症、ブルセラ症が、2つの有力動物研究機関で発生した。中国農業科学院傘下のP3バイオセーフティー施設である蘭州獣医研究所(LVRI)と、ハルビン獣医研究所(HVRI)だ。ハルビン獣医研究所は、よく知られている武漢ウイルス研究所(WIV)と並んで、中国で2つしかないP4バイオセーフティー認定を受けたウイルス研究所の一つだ。
ブルセラ病は、感染した肉や殺菌されていない乳製品を人間が摂取することで動物から人間に感染するもので、急速に拡大した。2019年11月28日、LVRIの4人の研究者が陽性反応を示した。1週間以内に96症例に膨れ上がった。武漢のアウトブレイク(感染爆発)が始まるまでに、LVRIの少なくとも181人の研究者が感染していた。最終的に、中国疾病対策予防センター(CDC)の記録によると、蘭州では5万5725人が検査を受け、6620人の感染者が確認された。
同時に、黒竜江省ハルビンのP4認定HVRIでもブルセラ症の別のアウトブレイクが発生した。2019年12月10日までに、13人の研究者の感染が公式に確認された。
このような難しい状況の中、直後に武漢から新型コロナの感染の報告が出始めたのだから、世間の怒りが直ちにWIVに向けられたことは驚くにはあたらない。WIVは実験動物をペットとして販売したり、死んだ実験動物を不適切に扱ったり、不適切に処分したり、さらには実験に使われた卵を食べたりと、無謀で不正な行動をとっていたという指摘が浮上した。
この騒動により、WIVの悪名高い科学者、いわゆる中国の「バットウーマン(コウモリ女)」であり、WIVの大規模なコロナウイルス研究プロジェクトの責任者である石正麗博士は、公式に弁明せざるを得なくなった。「2019年の新型コロナウイルスの発生は、人間の野蛮な生活習慣に対する自然の罰である」と彼女は宣言した。
ウイルス媒介動物を人間が食べたことが感染に一役買ったことを暗に認めたということだろうか。そうかもしれない。「武小華博士」として知られる事情通がWIVの動物管理の不手際について公開討論を求めたとき、石博士は沈黙を守ったのだから、議論の余地はなさそうだ。
その後、武博士は公の場から姿を消した。説明責任を果たせという国際的な要求にもかかわらず、石博士も姿を消したが、その理由は分かっていない。後には、聞き入れられなかった警告と、世界中で1900万人を超える犠牲者が残された。
中国の珍しい動物や実験動物に対する飽くなき欲求は、何度もパンデミックの温床となってきた。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行は、ウイルスに感染したハクビシンの食用に関連していると公式に発表された。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は不気味なほど似た軌跡をたどったが、今回、汚染された肉や乳製品は、市場からだけではなく、中国の生物学研究所からも流出したようだ。そこでは、ルールを守らない科学者、倫理的に破綻した研究者によって、ウイルスの食品への混入が促進された。
したがって、新型コロナがWIVから発生したのか、それとも近くの華南市場から発生したのかという議論は、誤っている。確かな真実がある。中国の生物学研究所は感染した危険な動物を無謀にも一般に流通させ、自国民だけでなく地球全体を危険にさらしているということだ。
中国の貪欲で節操のない消費行動がもたらす影響は、パンデミックにとどまらない。
とどまるところを知らない乱獲は、野生動物の絶滅を促し、魚の個体数を減少させ、生物多様性を侵食し、食物連鎖を撹乱し、感染症のリスクを増大させ、サンゴ礁を破壊し、熱帯雨林を荒廃させてきた。しかし、最も深刻なのは、世界の人々の健康への壊滅的な影響である。壊滅的な病気の発生を助長し、抗生物質への耐性を悪化させ、取り返しのつかない事態を招く。
国際社会は、中国の動物を介する感染症を、中国共産党の甚だしい人権侵害、技術窃取、軍事拡張主義、世界秩序の組織的破壊と並ぶ、存亡の危機として認識しなければならない。中国の格言が警告するように「病は口から入る」。
世界が断固とした行動を取らなければ、中国の飽くなき食欲はその行く手にあるものすべてを食い尽くし続ける。