コメンタリー


中国、米のレアアース開発妨害/「環境を破壊」と偽情報

(2022年7月6日)
 中国は、テキサス州で米国防総省と民間が協力して進めているレアアース(希土類)採掘・処理施設の建設を阻止するための情報工作を行っている。レアアースは電子機器などに不可欠な鉱物資源であり、情報工作はレアアース市場の支配を通じて、世界的な影響力拡大をもくろむ中国の取り組みの一環だ。
 サイバーセキュリティー企業、マンディアントが6月下旬に明らかにしたところによると、中国はソーシャルメディアを使って、オーストラリアのライナス・レア・アース社などレアアース採掘企業を中傷し、レアアースのサプライチェーン(供給網)を破壊しようとしているという。ライナス社は世界最大のレアアース採掘・処理企業で、国防総省と提携し、テキサス州で処理工場建設を進めている。 →続き

米国の商工会議所は誰のものか

(2022年6月30日)
 先週、ジム・バンクス議員が率いる共和党下院議員らは、「米商工会議所(USCC)」に代わる「全米自由企業商工会議所(AFECC)」の創設を祝った。USCCは、ワシントンの支配層が信奉し、すでに時代にそぐわなくなった政治思想を代表する機関となっている。
 共和党議員らは、USCCは中国を富ませることに焦点を合わせ過ぎていたと明確に指摘した。これに対するUSCCの反応は残念なものだった。声明で、「…今日、USCCは、インフレを抑制するために、国内のエネルギー増産と関税引き下げを提唱している」と表明した。 →続き

米議会、新型核ミサイルの開発承認

(2022年6月29日)
 米バイデン政権の核兵器削減計画に超党派の議員らが反発している。3月に公表された「核態勢の見直し(NPR)」で中止される予定となっていた海洋発射核巡航ミサイル(SLCM-N)開発計画中止に上下両院議員らが反対、開発継続への意思を明確にした。
 上院軍事委員会は今月中旬、SLCM-Nの開発予算として2500万ドル、下院軍事委員会も22日に4500万ドルを承認した。上院戦略軍小委員会のキング委員長(無党派)はSLCM-Nがあれば「大規模な反撃を招くことなく」抑止力を確保できると、その重要性を訴えている。 →続き

孔子学院 名称変え活動継続

(2022年6月25日)
 孔子学院は、中国政府が自国の文化、言語を教育するために世界各地の大学などに設置したとされている。しかし、トランプ前政権時に、中国政府のソフトパワー強化の一環として、影響工作などに利用されているとして閉鎖の動きが強まった。
 米国の大学には118の孔子学院があったが、104カ所が閉鎖または、閉鎖手続き中。しかし、全国学識者協会(NAS)が21日に発表した報告によると、閉鎖した学院は、別の組織として、または、別の手段を用いて米国内で依然、活動を続けているという。 →続き

中国が弾道ミサイル迎撃実験、米国はASAT実験を禁止

(2022年6月23日)
 中国軍は宇宙空間での迎撃ミサイル試験発射を実施し、成功させた。米国が宇宙での兵器実験の禁止を推進する一方で、中国とロシアは迎撃ミサイル、衛星攻撃兵器(ASAT)の開発を進めている。
 中国国防省は19日、迎撃実験の成功を発表、国営メディアによると、実験は「(弾道ミサイルが大気圏外を飛行する)中間段階での迎撃実験」であり、標的となる弾道ミサイルを発射し、地上の早期警戒システムによる追跡、迎撃ミサイルの発射が行われたという。 →続き

中国軍トップ、急激な核増強は「適切」と主張

(2022年6月21日)
 中国の魏鳳和国防相は今週、人民解放軍(PLA)が核兵器を増強していることを認めたが、米国の戦略軍司令官が1960年代のソ連に匹敵する「戦略的ブレイクアウト(爆発的増強)」と呼んだ点については否定的な見方を示した。
 PLAの魏鳳和上将は、核兵器で長い間、米ロの後塵を拝していた中国が、西部に推定350基の多弾頭大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風41(DF41)」を配備するなど、核の増強を急速に進めているという報道について、中国当局者として初めて言及した。米国は核兵器の増強に懸念を抱いているが、魏氏は核兵器の増強は正常だと主張した。 →続き