テキサス国境めぐる大統領の暴挙
By THE WASHINGTON TIMES – – Monday, August 2, 2021
ANALYSIS/OPINION:バイデン大統領は、南部国境を守ることによって国を守る義務を遂行していない。
他になすすべを失って、テキサス州は州民を外国からの越境移民――多くは無害であるが、中には新型コロナウイルスに感染している者もいる――から守るために、急場をしのぐために違反行為に打って出た。
連邦当局者は権力をかさに、またもや、米国人が自らを守れない状態に陥れた。つまり、テキサス州のアボット知事に言わせれば、「憲法に関わる危機」にだ。もっと根本的な言い方をすれば、それは、「米国人が守らなくなる常識の危機」のことだ。
テキサス州は、バイデン政権の国境開放政策によって北へ引き寄せられ、急増する越境移民の第一の入り口になっている。今年はすでに、100万人を超える違法な越境が試みられており、その大部分がテキサス州のデルリオ、あるいは、リオグランデ川流域で発生している。
バイデン氏の政策は基本的には、税関国境警備局を、新たに到着した人たちを国境から急いで処理施設へ行かせるための臨時の輸送サービスのために、通常と違うやり方で利用している。自分の州が無理やり新型コロナの輸送拠点としての役割をさせられているのを見て、アボット氏は先週、まず、テキサス州の領土内で捕まえた移民を不法侵入のかどで逮捕するよう呼び掛け、さらに、北へ向かう不法移民を乗せた車両の通行を遮断し、国境へ戻るよう州の兵士らに命じた。
ガーランド司法長官はバイデン政権の最高の法執行者として、テキサス州による移民問題の秩序回復を図るための2段階の計画は、彼の権限を侵害するものだと感じた。そのため彼は、テキサス州エルパソの連邦裁判所に、テキサス州が国境をめぐって連邦政府の主権行使の邪魔をするのを防ぐよう求めた。連邦政府は、彼らの権威は、国民の安寧秩序確保の上に成り立っているのだと分かっていたらいいのだが。
アボット氏は、通達文を受け取り、「テキサス州と連邦政府が憲法上の危機に直面していることは、あなたの文章の中の言い方から明らかである」と、ガーランド氏に書き送った。
両者が、テキサス州の不法移民移送拠点問題に取り組んでいる一方で、バイデン氏は、今年、合法移民に配られる永住ビザの数を減らす計画を立てている。加えて、大統領と、彼の連邦議会の民主党の仲間は、既存の不法移民――およそ1100万人から2000万人の間の人数がいる――に対する恩赦を無理やり、彼らの3.5兆㌦の社会福祉法案に押し込みたいと思っている。
米国は移民の国だとよく言われる。大抵の人は、その決まり文句は、「合法的な」移民を指して言っていると理解しているが、バイデン氏の政権は、その重要な違いを無視している。
当然のことながら、米国人は、大統領の国境の危機への対応の仕方にがくぜんとする度合いを強めている。7月下旬に実施されたABC―Ipsosの世論調査によって、回答者のわずか37%しか、不法移民の急増に対処する大統領の行動を支持しておらず、63%が不支持だということが分かった。
バイデン政権が目指すべきことは、米国人の憲法上の権利を守ることだ。中にはコロナウイルスを持っている者もいる不法移民が、国境に殺到することを許しているのであれば、大統領には、絶対に、憲法上の権利を守ることはできない。彼の行動は、テキサスの常識的解決法とは真逆である。