タリバンの実権掌握による戦略的勝者は(今のところ)パキスタン

(2021年9月5日)

Pakistani Foreign Minister Shah Mahmood Qureshi speaks during a press conference with his German counterpart Heiko Maas after their meeting in Islamabad, Pakistan, Tuesday, August 31, 2021. Maas arrived in Islamabad on two-day visit to hold talks with Pakistani leadership to discuss bilateral matters, international issues and the current situation in Afghanistan. (AP Photo/Anjum Naveed)

By Guy Taylor – The Washington Times – Tuesday, August 31, 2021

 

 タリバンは、1990年代に主にパキスタンの情報機関によって設立された強硬派イスラム主義組織だ。

 

 アフガニスタンの首都カブールがタリバンの手に落ちたことは、パキスタンにとって戦略的大勝利となるかもしれない。

 

 国家安全保障筋によると、パキスタンは過去20年間にわたり、自国の利益を守るために、アフガン戦争の両者に対し慎重に二股を掛けてきた。

 

 パキスタン当局はそのような見方を強く否定するとともに、米国によるテロリスト掃討を支援し、不安定な隣国に安定した政府を樹立することが、アフガンにおける唯一の目標だったと主張している。だが、パキスタンの政府機関は裏表のある行動を取り、バイデン米政権はパキスタンの術中にはまってアフガンをタリバンの手に渡してしまったことはほぼ間違いないと、地域の専門家たちは指摘している。

 

 匿名を条件に語ったハイレベルな地域情報筋によると、パキスタン当局が常に目指してきたのは、同国の核心的な地政学的目標に沿うイスラム主義政府をアフガンで維持することだ。パキスタンの地政学的目標とは、ヒンズー教徒が多数派のライバル国、インドがアフガンで影響力を行使し、パキスタンの戦略的裏庭で脅威をつくり出すのを防ぐことだ。

 

 「(しかし、)インドを苦しめることが全てではない」。情報筋の一人によると、パキスタンのエスタブリッシュメントは、アフガンを「植民地化」する夢をずっと抱いてきたという。20年以上前、タリバンの台頭を後押ししたのは、アフガンの国粋主義者たちをコントロールし、彼らが立ち上がってパキスタンに挑むのを防ぎたいという願望もあった。

 

 別の情報筋によると、パキスタンはずっと、タリバン支配のアフガンという隣国の強硬派イスラム主義社会に隠れ場所を与えることで地域の過激主義勢力をなだめ、パキスタンへの攻撃を控えさせることに成功してきた。

 

 その他の多くのことと同じように、タリバンが支配するアフガンが米印関係に与える影響もはっきりしない。タリバンは今週、アフガンの新たな統治体制下では、反インドの活動は許さないと宣言し、大きなニュースになった。ただ、インドはバイデン政権のずさんな撤退に対し、ひそかに激怒しているといわれている。

 

 タリバンがアフガンの支配を進める一方、バイデン政権はインドに対し、中国に対抗するためのアジア民主主義国の枠組み「クアッド」など、米国の広範な戦略的イニシアチブへの協力を求めている。インド政府は、ハーシュ・シュリングラ外務次官が来週、バイデン政権との会合でワシントンを訪問すると発表したが、過去2週間の展開については反応を控えている。

 

 一部の地域アナリストたちは、タリバンの実権掌握は結局、パキスタンにとって、つかの間の勝利に終わると指摘する。アフガンはすぐに、幅広いイスラム主義テロ組織をかくまうのけ者国家へと退化し、最終的に西側世界だけでなく核保有国であるパキスタンの世俗的な標的をも攻撃するだろう、というのがアナリストたちの見方だ。

 

 これは進行中の外交危機であり、アナリストからは、米パキスタン関係はすでに緊張と不信に満ちているとの指摘が出ている。

 

 米情報筋によると、パキスタンの強力な情報機関はタリバンへの支援を継続しているほか、米国務省が2012年に海外テロ組織に指定したハッカニ・ネットワークに対しても隠れ場所を提供している。対テロ担当の元米政府高官は、パキスタンは依然、信頼できる安全保障上のパートナーであるかという質問に対し、怒りを表した。

 

 「パキスタンは最悪の同盟国かもしれない。同盟国でさえないのかもしれないが。おそらく世界最悪のパートナーだ」。この元高官はワシントン・タイムズ紙に、匿名で米国とパキスタンの安全保障関係について率直に語った。

第93ホロドニー・ヤール独立機械化旅団の報道部が提供したこの写真では、兵士たちが2026年8月4日火曜日、ウクライナのドネツク州クラマトルスク前線都市付近のロシア軍陣地に向けて、多連装ロケットシステムBM-21「グラード」を発射する準備をしている。(イリーナ・リバコワ/ウクライナ第93機械化旅団提供、AP通信経由)

対ウクライナ・米国戦争でロシア・イランが連携 兵器、情報を供与

(2026年08月08日)
2026年7月22日(水)、コンゴ共和国イトゥリ州ブニア総合病院のエボラ治療センターで、医療従事者が救急車を消毒している。(AP通信/ディロール・ロツィマ・ディウドネ撮影)

エボラ危機、中国がコンゴで影響力拡大 米国の支援減も影響

(2026年08月07日)
韓国の李在明大統領は、2026年1月7日(水)、中国・上海で韓国メディア関係者との会合で発言した。(ハン・サンギュン/聯合ニュース提供、AP通信経由)

韓国当局、保守系米国人を出国禁止に 李大統領への名誉棄損で起訴

(2026年08月06日)
米インド太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督が、2024年8月27日火曜日、フィリピンのマニラで米インド太平洋軍主催の国際軍事会議で演説を行った。(AP通信/アーロン・ファビラ撮影)

米陸軍、西太平洋テニアン島に新型極超音速ミサイルを配備

(2026年07月29日)
写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

(2026年07月27日)
2015年6月27日土曜日、キューバのハバナで行われた記者会見で、米国上院議員団の一員が米国とキューバの国旗を交差させたピンバッジを着用している。(AP通信/デズモンド・ボイラン撮影)

米国転覆狙い共産主義を推進するキューバ 米国務省が警告

(2026年07月24日)
日本の小泉進次郎防衛大臣が、2026年5月31日(日)、シンガポールで開催されたアジアの年次防衛・安全保障フォーラム「シャングリラ対話」で演説を行った。(AP通信/アハマド・イブラヒム撮影)

小泉防衛相、核巡る議論呼び掛け GCAPやアジア連携も強化

(2026年07月23日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2025年4月3日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で開催されたNATO外相会議に出席するため到着した際、報道陣の取材に応じた。(AP通信/バージニア・メイヨー撮影)

リトアニア外相、ロシアの破壊工作は「侵略行為」 米軍駐留継続に期待

(2026年07月21日)
新華社通信が公開したこの写真は、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルの発射実験の様子を捉えたものだ。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

中露、スターリンク攻撃計画を極秘協議 軍事協力の実態判明

(2026年07月19日)
フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

中国は依然国際法に違反 南シナ海仲裁判断10年で米軍

(2026年07月18日)
→その他のニュース