「スクワッド」、移民問題で議会規則の無視を呼び掛け
By Kery Murakami – The Washington Times – Monday, September 20, 2021
議会の極左「スクワッド」は、バイデン大統領の3.5兆㌦の歳出法案に盛り込まれている、不法移民に滞在資格を与える計画を阻止する上院議事運営専門員の19日夜の判断を無視するように民主党のリーダーらに呼びかけた。
民主党議員らは、2月にエリザベス・マクドナー議事運営専門員が、新型コロナウイルス救済法案の連邦最低賃金を時給15㌦とする案を阻止する判断を下したことに怒りを覚えており、今こそルールを変える時だと語った。
イルハン・オマル下院議員(民主、ミネソタ州)はツイッターで、「議事運営専門員のこの判断は勧告にすぎない。正しいことをする一生に一度のこの機会を逃すわけにはいかない」と述べた。
チャールズ・シューマー上院院内総務(民主、ニューヨーク州)も控えめな言い方にとどめた。シューマー氏は、民主党には代替案があり、マクドナー氏がこの案を運営することになると述べた。難民、農業従事者、子供の頃に米国に不法入国し、米国人として育った「ドリーマー」と呼ばれる人々に市民権を与えるための道を与えるための代替案だ。
スクワッドの一員であるアヤナ・プレスリー下院議員(民主、マサチューセッツ州)も、オマル氏に賛同した。
プレスリー議員は「古臭い手続きをやめて、移民の家族と交わした約束を守る時が来た」とツイートした。
移民擁護団体も、議事運営専門員のこの判断を無視するよう要求した。
ドリーマーの市民権取得を推進する団体「ユナイテッド・ウィー・ドリーム」は、バイデン氏、カマラ・ハリス副大統領、シューマー氏、ナンシー・ペロシ下院議長に呼びかけた。
「この勧告に拘束力はない。民主党の上院議員には、財政調整措置によって何百万人もの人々に市民権を与える法案を通過させる権限がある。これで終わりではない。議事運営専門員が決定するわけではない。バイデン、ハリス、シューマー、ペロシ氏らが決める」
左派が、リベラルな法案を通過させるために、議事運営専門員の判断の変更を求めたのはこれが初めてではない。
共和党はフィリバスター(議事妨害)で、各州で可決された選挙制度の変更を取り消す民主党の法案などを阻止することができる。そのため、民主党はフィリバスターの廃止を求めている。
民主党は、3.5兆㌦の法案の中で、財政調整措置と呼ばれる特別な手続きを用いて、不法移民への滞在資格付与を強行採決する予定だった。この手続きによって、一部の歳出・税制措置について、60票のフィリバスターを回避し、51票の賛成で可決すること可能になる。
マクドナー氏は議事運営専門員として議会規則を管理し、財政調整法案に何を盛り込むかを決める権限を持つ。マクドナー氏の裁定により、財政調整法案に滞在資格付与を盛り込む機会は失われた。
民主党は、滞在資格の付与によって、今後数十年間で何千億㌦もの政府歳入と利益がもたらされ、調整措置として適格であると主張している。一方の共和党は、これらの効果は付随的なものであり、この計画は将来数十年にわたって赤字を増加させるばかりか、予算規則にも反すると主張している。
共和党はマクドノー氏の判断を称賛し、これにより上院は、国境警備などの改革、一部の不法移民の合法化などに焦点を当てた超党派の移民法改正を試みる機会が与えられたと指摘した。
共和党のミッチ・マコネル上院院内総務(ケンタッキー州)は、「民主党は、増税と歳出増のための法案を密室でまとめ、その中に非常に過激な滞在資格付与案を盛り込もうとしているが、そのようなことはできない。これは、民主党の願望がいかに急進的で、極左のこれらの願望が、へるべき手順にいかにそぐわないものかを示している」と述べた。
「民主党のリーダーらは、党内の進歩的グループに抵抗せず、法の支配を守ることを拒否した。民主党は、何十年もの間、移民の滞在資格付与を実現することができず、今回の前代未聞の作戦を試みた。これは不適切であり、失敗したことをうれしく思う」