米カリフォルニア州で集団万引きが多発、罰則軽減が要因か

(2021年11月29日)

ロサンゼルスの商業・娯楽施設「ザ・グローブ」にあるノードストロームの店舗の外に立つ警備員。(AP Photo/Eugene Garcia)

By Emily Zantow – The Washington Times – Wednesday, November 24, 2021

 

 米カリフォルニア州の組織的な店舗強盗が全国に広がりつつあり、小売業者から経費が増大しているとの声が上がっている。同州では、民主党議員によって万引きに対する罰則が大幅に軽減されている。

 

 サンフランシスコ・ベイエリアの高級店が標的になってからわずか数日後の22日夜、約20人の窃盗集団がロサンゼルスの百貨店ノードストロームの窓を割って商品を略奪した。この事件を受け、州や地元の当局者たちは、ホリデーショッピングシーズンに合わせ、秩序を回復すると約束した。

 

 ロサンゼルス市警は、このスマッシュ・アンド・グラブ(窓を割って物を盗む)事件の容疑者3人を逮捕。その上で、サンクスギビング(感謝祭)とブラックフライデーの週末を前に、市全域で高級店周辺のパトロールを強化すると表明した。

 

 ロサンゼルスの事件の数日前に、ビバリーヒルズやサンフランシスコ、サンノゼで同様のあからさまな組織的強盗が発生している。この中には、ウォールナットクリークのノードストロームが80人の覆面窃盗団に略奪された事件も含まれる。窃盗団の一部はバールを使っていた。サンノゼでは、(スポーツ衣料品店の)ルルレモンが40人の窃盗団によって略奪された。

 

 家電量販店のベストバイは今週、アナリストたちとのカンファレンスコールで、第3四半期の売上総利益率が低下した一因として組織的窃盗を挙げた。

 

 「これは現実の人々を傷つけ、おびえさせる現実の問題だ」。ベストバイのコーリー・バリーCEOはこう語った。

 

 ショッピングモールや小売店警備の専門家であるデービッド・レベンバーグ氏は、AP通信の取材に、フラッシュモブ犯罪は至る所で起きているが、特にひどいのはロサンゼルスやサンフランシスコなど進歩派検事がいる都市だと指摘した。

 

 「罰則は最小限で、利益は大きい」。フロリダ州で「センター・セキュリティー・サービス」を立ち上げたレベンバーグ氏はこう語った。

 

 ベストバイのカンファレンスコールに関するAP通信の報道によると、バリー氏は組織的窃盗は全米で増えているが、特に多いのはサンフランシスコだと指摘した。同社は警備員を雇うとともに、商品のクリエーティブな実演方法をメーカーと取り組んでいるという。

 

 カリフォルニア州全域の司法当局者は24日、危機に対処し、買い物は安全であると消費者を安心させるための計画をまとめた。

 

 「群衆のような心理をつくり出すために大規模なグループで協力するという入念に組織化された犯罪であることは明らかだ」。アラメダ郡のナンシー・オマリー地方検事は、こう指摘した。

 

 オマリー氏は、窃盗団は小売店や買い物客、地域に「恐怖を植え付け」ており、「ホリデーシーズンに多くの人が外出している時に恐るべきことだ」と語った。

 

 経営者や警察からは、窃盗が増加した原因は、2014年に民主党主導の州が成立させた法律にあるとの指摘が出ている。この法律により、950㌦までの窃盗が重罪から軽犯罪に引き下げられた。

 

 サンフランシスコ市警のビル・スコット署長は今週、ABC7テレビに、組織的窃盗団の拡大は、暴力を伴わない窃盗や強盗、財産犯罪に対する「罰則が軽微」だという事実と結び付いていると指摘した。

 

 「つまり、ビジネスとして生活のために犯罪をするのであれば、罰則が軽微な犯罪に走るだろう。特に40~50人が一度に殺到すれば、捕まる可能性も低い」。警察官歴33年のスコット氏はこう指摘した。

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