バイデン政権、トラック用シャシーの関税撤廃せず
By Jeff Mordock – The Washington Times – Friday, December 3, 2021
バイデン政権が、中国から輸入されるトラック輸送機器にかけられている大規模な関税を撤廃するだけで、サプライチェーン(供給網)の危機を緩和できると専門家は言うが、政権はこれまでのところ、これを拒否している。
5月、商務省は中国製のトラック用シャシーに221%の関税を課した。これは、輸送用コンテナを道路で運ぶための特殊なトレーラーだ。このシャシーは、トラック運転手が、あらゆる種類の消費財を詰めたコンテナを港や鉄道基地、店舗などに配送するために使用される。
中国は世界最大のシャシー生産国であり、この関税は、トランプ政権が中国製シャシーに課した25%の関税に上乗せされる。この関税を合わせると、以前は約1万2000ドルだったシャシーの価格に、およそ2万5000ドルが上乗せされることになる。
当時、商務省は、米国のシャシーメーカーが安価な中国からの輸入品によって壊滅的な打撃を受け、何百人もの労働者が解雇されたため、この措置が必要だと述べていた。
しかし、この関税によってシャシーが不足し、米国の港に山積みされている商品をトラック運転手が運ぶのに支障をきたすようになった。シャシーの動きを追跡している組織「プール・オブ・プールズ」の最新データによると、ロサンゼルス港とロングビーチ港から搬出されるシャシーは、4月から9月の間に23%も急減した。
リバタリアン系シンクタンク、企業競争研究所(CEI)の上級研究員、ライアン・ヤング氏は、最近行われたウェビナーで、「これは、供給ネットワークの非常に重要な部分に220%の関税をかけるもので、この関税をなくすだけで、すぐに大きな効果が出る。これは供給網全体にとって悪いニュースだ」と述べた。
ホワイトハウスは、複数回にわたるコメントの要請に応じなかった。ホワイトハウスは先週、ホワイトハウスの公式ブログへの投稿で、ロサンゼルス港とロングビーチ港が6万台のシャーシを撤去し、さらに2万8000台を撤去することを約束したと述べています。
米国のシャシーメーカーの連合組織は10月、関税撤廃の圧力に耐えるようバイデン大統領に要請した。関税のおかげで、何百人もの従業員を新たに雇用し、生産能力を400%向上させることができたという。
バイデン大統領に宛てた書簡の中でこの組織は、関税撤廃を求める声は「煙幕」であり、「見当違いであり、間違っており、拒否されるべきである」と述べている。
「米国の製造業者とその労働者に負担を負わせることで、サプライチェーンの問題を解決することはできない。関税を撤廃すると、サプライチェーン問題の根本的な原因を解決することなく、より多くの米国人労働者が職を失うことになる」
「これは全く解決策にならず、不当に取引された中国製シャシーによって重大な損害を被った米国のメーカーとその労働者を再び傷つけることになるだけだ」
しかし、生産を強化しても、すでに3カ月遅れている当面の需要を満たすだけのシャシーは生産できない。
シャシー不足は、港湾での労働力不足によってさらに悪化しており、全国の港湾で数十万台のシャシーが遊休状態になっている。これらのシャシーは、港で空の輸送コンテナを保管するために使われており、労働者は滞貨を解消するのに苦労している。
南カリフォルニアの港のトラック運転手を代表する港湾トラック輸送協会の最高責任者、マット・シュラップ氏は、ロサンゼルス港とロングビーチ港では、少なくとも11万個の空のコンテナがシャーシに載せられたままと見積もっている。
シュラップ氏はワシントン・タイムズ紙に、「これは稼働率の問題と考えている。シャシーの供給は制限されているが、シャシーを効果的に最大限に活用できていない。保管場所に困っている」と語った。
また、シャシーの不足は、ガソリン価格の上昇やインフレに悩まされているトラック運転手のコスト増にもつながっている。ほとんどのトラック運転手は、シャシーをレンタルし、最後に返却して使用した期間分の料金を支払う。
シュラップ氏は、かつてシャシーの空きを40分待っていたトラック運転手が、今では7時間も待つようになったと指摘する。
「物を動かさないとお金はもらえない。かし、今、非常に混雑している港のターミナルでは待ち時間が長くなっている。シャシー次第だ。コンテナを動かすのはシャシーだからだ」